「糖尿病腎症重症化予防の取り組み」、厚労省が好事例を報告

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HealthDay News

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 世界的に増えている2型糖尿病の合併症の一つに、糖尿病腎症が挙げられる。糖尿病腎症は自覚症状なく進行し、気づいたときには透析導入を余儀なくされるケースも少なくない。そこで、厚生労働省は糖尿病腎症の重症化を予防し、透析導入を抑制するため、全国の自治体の取り組みに対する支援を開始した。2018年には「自覚症状のない糖尿病の重症化を防ぐために。-国民健康保険における糖尿病性腎症重症化予防の取組に関する調査-」を実施。12月28日に結果を公表し、埼玉県や長野県松本市、東京都足立区などの取り組みを好事例として報告した。

 厚労省の「国民健康・栄養調査」によると、2016年には、糖尿病が強く疑われる人とその予備軍がともに1000万に上っている。しかし、治療を受けている患者は約半数に過ぎず、医療機関への受診勧奨が大きな課題とされている。一方、日本国内の透析患者数は、1983年時点の約5.3万人から2016年末時点には約32.9万人へと約5.7倍に増加した。近年では原疾患の4割以上を糖尿病腎症が占めており、日本透析医学会の調べでは1998年以来、第1位で推移している。

 透析治療にかかる年間医療費の総額は約1.6兆円ともされ、糖尿病腎症の重症化予防は国として取り組むべき喫緊の課題だ。厚労省は2016年4月に、日本医師会と日本糖尿病対策推進会議の3者で「糖尿病性腎症重症化予防プログラム」を策定し、各自治体の取り組みへの支援を本格的に開始した。その柱には、(1)医療機関未受診者と受診中断者に対する受診勧奨・保健指導、(2)通院患者のうち重症化リスクの高い患者に対する主治医の保健指導が掲げられている。

 また、厚労省が12月28日に公表した調査報告書では、各自治体の好事例が報告された。例えば、埼玉県は、県医師会など関係機関と2014年に「糖尿病性腎症重症化予防プログラム」を策定。高リスク者への受診勧奨や保健指導を重視した各市町村国保の取り組みへの支援を開始した。その後、「埼玉県方式」と呼ばれる国民健康保険連合会との共同事業を支援する独自の取り組みへと発展させている。

 また、主治医と薬局薬剤師が連携する「患者自己管理支援プログラム」を推進する長野県松本市では、薬剤師が患者に処方薬を手渡す際に、服薬指導に加えて保健指導を行っている。保健指導が一度終わった後でも、薬局で処方薬を受け取る際に健康相談などのかたちで継続できるというメリットがあるという。

 さらに、東京都足立区では、特定健診の結果から保健師が医療機関を受診する必要がある人を抽出し、受診勧奨の通知を郵送している。その後、受診が確認できなかった人には、保健師が訪問や電話で受診を再勧奨することで受診率が大幅に改善したと報告されている。

[2019年1月21日/HealthDayNews]Copyright (c) 2019 HealthDay. All rights reserved.利用規定はこちら

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