遺伝子変異がパーキンソン病の生存期間予測に有用

提供元:HealthDay News

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公開日:2022/11/14

 

 パーキンソン病における遺伝子変異が、患者の生存期間に関連することが報告された。ソルボンヌ大学パリ脳研究所(フランス)のAymeric Lanore氏らが、欧州神経学会(EAN2022、6月25~28日、オーストリア・ウィーン)で発表したもの。

 Lanore氏らは、多施設コホートのパーキンソン患者を対象に、SNCALRRK2PRKNGBA変異を有する患者の生存期間を、いずれの変異もない患者(対照群)と比較。対象とした2,037人中、890人が追跡期間中に死亡した。

 年齢、性別、発症から初診までの期間で調整した多変量解析の結果、LRRK2またはPRKN変異を有する患者では、対照群に比べ生存期間が長く〔死亡ハザード比(HR)はそれぞれ0.5、0.42〕、SNCAまたはGBA変異がある患者では、生存期間が短いことが判明した(死亡HRはそれぞれ10.20、1.36)。

 Lanore氏は、「今回の研究結果は、パーキンソン病の進行を促進する因子について理解を深めるのに役立つだけでなく、がん患者が予後を告げられるのと同様に、パーキンソン病においても医師が患者と予測される余命について率直に話し合うことを可能にするかもしれない。これにより、患者は、治療と残された時間について自分自身で決定を下すことができる」と述べている。

[2022年7月1日/HealthDayNews]Copyright (c) 2022 HealthDay. All rights reserved.利用規定はこちら