リアルワールドにおけるチルゼパチドの減量効果

提供元:ケアネット

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公開日:2026/04/09

 

 減量治療を行っている肥満患者への薬物治療において、チルゼパチドの効果はどのくらいあるのであろうか。このテーマについて米国・Weill Cornell MedicineのSarah R. Barenbaum氏らの研究グループは後ろ向きコホート研究を実施し、チルゼパチド治療を受けた成人の6ヵ月間の減量の転帰を分析した。その結果、チルゼパチドは全群において有意な体重減少をもたらすことがわかった。この結果はObesity誌オンライン版2026年3月28日号で公開された。

減量停滞時に治療薬の切り替えを行うと効果が上がる可能性

 研究グループは、2022年5月~2023年1月の間にチルゼパチド治療を受けた成人の6ヵ月間の減量転帰を後ろ向きコホート研究として分析した。チルゼパチド開始前に総体重(TBW)が10%以上減少していた患者を「減量済み」と分類し、セマグルチド(週1.7mg以上を1ヵ月以上投与)から切り替えた患者については、切り替え理由を「無効(3ヵ月以上経過後の減量率5%未満)」、「停滞(5%以上の減量後に体重が安定)」、または「その他」に分類した。

 主な結果は以下のとおり。

・941例のカルテのうち、293例(31.1%)が選択基準を満たした(女性65%、平均年齢52歳、平均BMI値36.1)。
・チルゼパチド開始前にすでに減量していた患者133例のTBW減少率は7.2%であったのに対し、減量していなかった患者160例では10.3%だった(p<0.001)。
・2型糖尿病の有無で層別化して解析した結果、糖尿病を有しない患者群においても体重減少の差は統計的に有意であった。
・無効または停滞を理由にセマグルチドから切り替えを行った61例の患者ではTBWが5.3%減少した。
・停滞時に切り替えを行った患者28例では8.1%の減少がみられたのに対し、無効例33例では2.9%の減少にとどまった(p<0.001)。

 以上の結果から研究グループは、「チルゼパチドは全群において有意な体重減少をもたらしたが、その効果は減量状況、2型糖尿病の有無、およびセマグルチドへの過去の反応性によって異なる」と結論付けている。