ROS1陽性NSCLCに対するタレトレクチニブを発売/日本化薬

提供元:ケアネット

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公開日:2025/11/14

 

 日本化薬は「ROS1融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌(NSCLC)」の適応で、厚生労働省より製造販売承認を取得したタレトレクチニブ(商品名:イブトロジー)について、2025年11月12日に発売したことを発表した。タレトレクチニブは、同適応症に対する薬剤として4剤目となる。

 ROS1を標的とするチロシンキナーゼ阻害薬(TKI)を用いた治療において、耐性変異としてG2032R変異などが発現することが報告されている。そこで、これらの耐性変異体への活性を有する薬剤の開発が望まれていた。

 タレトレクチニブは、ROS1変異体(G2032R、L2026M、L1951Rなど)に対しても阻害活性を有するTKIである。タレトレクチニブの承認は、ROS1融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発NSCLCを対象とした2つの第II相試験(TRUST-I試験[中国]およびTRUST-II試験[国際共同])などに基づく。2試験の統合解析1)において、未治療集団および既治療集団の確定奏効率は、それぞれ88.8%、55.8%であった。また、未治療集団および既治療集団の頭蓋内奏効率は、それぞれ76.5%、65.6%であった。

 なお、タレトレクチニブのコンパニオン診断としては、AmoyDx肺癌マルチ遺伝子PCRパネルが承認されている。

<製品概要>
販売名:イブトロジーカプセル200mg
一般名:タレトレクチニブアジピン酸塩
製造販売承認日:2025年9月19日
薬価基準収載日:2025年11月12日
効能又は効果:ROS1融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌
用法及び用量:通常、成人にはタレトレクチニブとして1日1回600mgを空腹時に経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。
薬価:9,711.20円(200mg 1カプセル)
製造販売元:日本化薬株式会社

(ケアネット 佐藤 亮)