朝食とメタボ各要素の関連~メタ解析

提供元:ケアネット

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公開日:2025/11/12

 

 朝食を食べない人では、食べる人と比べてメタボリックシンドローム(MetS)、腹部肥満、高血圧症、高脂血症、高血糖のリスクが有意に高いことが、中国・Ningxia Medical UniversityのBowen Yang氏らによって報告された。Nutrients誌2025年10月3日号掲載の報告。

 これまで多くの研究で特定の食品や食習慣とMetSとの関連が検討されてきたが、朝食など食事頻度に関するエビデンスは一貫していなかった。そこで研究グループは、一般集団を対象に、朝食を食べない人と食べる人との間でMetSおよびその構成要素(腹部肥満、高血圧症、高脂血症、高血糖など)の発生・有病リスクを比較するシステマティックレビューおよびメタ解析を実施した。

 PubMed、Embase、Cochrane Library、Web of Scienceをデータベースの開始から2025年4月7日まで検索し、朝食抜きとMetSまたは個々の構成因子のリスクを検討した観察研究(横断研究およびコホート研究)を抽出した。オッズ比(OR)および95%信頼区間(CI)はランダム効果モデルで算出した。

 主な結果は以下のとおり。

・基準を満たす9件の研究(11万8,385人)が解析対象となった。
・プール解析により、朝食抜きはMetSおよびその構成要素のリスク上昇と有意に関連していることが示された。ORと95%CIは以下のとおり。
 -MetS:1.10(95%CI:1.04~1.17)
 -腹部肥満:1.17(95%CI:1.01~1.34)
 -高血圧症:1.21(95%CI:1.10~1.32)
 -高脂血症:1.13(95%CI:1.04~1.23)
 -高血糖:1.26(95%CI:1.16~1.37)

 研究グループは「朝食を抜くことはMetSおよびその構成要素のリスク増加と関連していた。バランスの取れた朝食を定期的に摂取することは、とくに高リスク集団では心血管代謝疾患の予防と管理のための費用対効果の高い介入の1つとなる可能性がある」とまとめた。

(ケアネット 森)