子供への新型コロナワクチン、学会が声明発表/日本小児科学会

提供元:ケアネット

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公開日:2021/06/18

 

 2021年6月16日、日本小児科学会は新型コロナワクチンの子供への接種について、学会としての見解を発表した。「新型コロナワクチン~子どもならびに子どもに接する成人への接種に対する考え方~」と題したこの声明では、子供を感染から守るためには、周囲の成人が免疫を獲得することが重要とし、まずは成人の接種が優先されるべきで、とくに医療的ケア児等や重篤な基礎疾患のある子供に関わる業務従事者、そして健康な子供に関わる業務従事者は、職種・勤務形態を問わずワクチンを接種することが重要とした。

 そのうえで子供自身への接種に関しては、以下のように提言している。

健康な子供

 12歳以上はワクチン接種に意義がある。小児でもまれにある重篤化や同居する高齢者への感染リスクを防止できる。接種前に本人と養育者への十分な説明が必要となり、できれば個別接種が望ましい。ワクチン接種を希望しない子供と養育者が特別扱いされない配慮が必要となる。

重篤な基礎疾患がある子供

 基礎疾患がある子供はCOVID-19感染時に重症化する可能性があり、接種対象年齢の子供はワクチン接種でそれを防ぐことが期待できる。ただし、子供は副反応の頻度が高いことが報告されており、主治医と養育者による体調管理と接種後の観察が重要となる。

 学会は、引き続き情報収集を行い、内容は随時アップデートする可能性があるとしている。

(ケアネット 杉崎 真名)