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https://www.carenet.com/pharmacist/teian/cg002441_059.html
一般名 | ボセンタン水和物分散錠 |
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YJコード | 2190026X1028 |
剤型・規格 | 錠剤・32mg1錠 |
薬価 | 4576.20円 |
製薬会社 | |
添付文書 |
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https://www.carenet.com/pharmacist/dinote/cg002154_053.html
肺動脈性肺高血圧症。<効能・効果に関連する使用上の注意>1.特発性又は遺伝性PAH及び先天性心疾患に伴うPAH以外のPAHにおける有効性及び安全性は確立していない(PAH:肺動脈性肺高血圧症)。2.小児の肺動脈性肺高血圧症の治療に十分な知識及び経験を有する医師のもとで、本剤の投与が適切と判断される患者に対して適用を考慮する。3.本剤の使用にあたっては、最新の治療ガイドラインを参考に投与の要否を検討する。
乳児、幼児又は小児には、ボセンタンとして1回2mg/kgを1日2回朝夕、用時、少量の水に分散させ経口投与する。但し、最大投与量は1回120mg、1日240mgとする。<用法・用量に関連する使用上の注意>1.1歳未満の小児に対する有効性及び安全性は確立していない。2.本剤投与中に、AST(GOT)又はALT(GPT)値が基準値上限の3倍を超えた場合、用量調節と肝機能検査を次の基準を参考に行う。1).AST値>3及び≦5×ULN(GOT値>3及び≦5×ULN)/ALT値>3及び≦5×ULN(GPT値>3及び≦5×ULN):減量又は投与を中止し、その後少なくとも2週間毎にAST、ALT値を測定し、それらが治療前値に回復した場合は、適宜投与を継続又は再開する(再投与する場合は、開始用量から始め、AST、ALT値は3日以内に確認し、2週間後に再度確認後、基準値上限の3倍を超えた場合の投与法と肝機能検査の実施時期を参考にして投与する)。2).AST値>5及び≦8×ULN(GOT値>5及び≦8×ULN)/ALT値>5及び≦8×ULN(GPT値>5及び≦8×ULN):投与を中止し、その後少なくとも2週間毎にAST、ALT値を測定し、それらが治療前値に回復した場合は、投与の再開を考慮する(再投与する場合は、開始用量から始め、AST、ALT値は3日以内に確認し、2週間後に再度確認後、基準値上限の3倍を超えた場合の投与法と肝機能検査の実施時期を参考にして投与する)。3).AST値>8×ULN(GOT値>8×ULN)/ALT値>8×ULN(GPT値>8×ULN):投与を中止し再投与してはならない。ULN:基準値上限。3.AST値上昇、ALT値上昇が肝障害の臨床症状、例えば、嘔気、嘔吐、発熱、腹痛、黄疸、嗜眠又は疲労、インフルエンザ様症状(関節痛、筋痛、発熱)などを伴う場合、又はビリルビン値が基準値上限の2倍以上の場合は投与を中止する。4.本剤とボセンタン水和物普通錠は生物学的に同等ではなく、本剤はボセンタン水和物普通錠と比較してバイオアベイラビリティが低いため、互換使用を行わない(本剤64mgのボセンタン水和物普通錠62.5mgに対するCmax比及びAUC比の平均値はそれぞれ0.82及び0.87)。5.ボセンタン水和物普通錠から本剤への切り替えや本剤からボセンタン水和物普通錠への切り替えを行う場合、曝露量変動することがあるため、切り替え後は患者の状態に留意し、十分な観察を行う。
(警告)本剤投与により肝機能障害が発現するため、肝機能検査を必ず投与前に行い、投与中においても、少なくとも1カ月に1回実施する。なお、投与開始3カ月間は2週に1回の肝機能検査が望ましい。肝機能検査値異常が認められた場合はその程度及び臨床症状に応じて、減量及び投与中止など適切な処置をとる。(禁忌)1.妊婦又は妊娠している可能性のある婦人。2.中等度肝障害あるいは重度肝障害のある患者[肝障害を増悪させる恐れがある]。3.シクロスポリン投与中又はタクロリムス投与中の患者。4.グリベンクラミド投与中の患者。5.本剤及び本剤の成分に過敏症の既往歴のある患者。(慎重投与)1.投与開始前AST<GOT>ALT<GPT>値何れかが基準値上限3倍超える又は投与開始前AST<GOT>ALT<GPT>値両方が基準値上限3倍超える患者[肝機能障害を増悪させる恐れがある]。2.低血圧の患者[血圧を一層低下させる恐れがある]。3.ワルファリン投与中の患者[本剤との併用によりワルファリンの効果が減弱することがあるので、本剤投与開始時、増量・減量時及び中止時には必ずINR値の確認を行い、ワルファリン投与量の調節を行う(適切なINR値になるまでは2週に1回の検査が望ましい)]。4.フェニルケトン尿症の患者[症状を増悪させる恐れがある(本剤は1錠中3.7mgのアスパルテーム(L-フェニルアラニン化合物)を含有する)]。(重要な基本的注意)1.妊娠可能な女性においては、避妊薬単独での避妊をさける、本剤投与開始前及び投与期間中は、毎月妊娠検査を実施する。2.肝機能検査を必ず投与前に行い、投与中においても、少なくとも1カ月に1回実施する(なお投与開始3カ月間は2週に1回の検査が望ましい)。3.副作用又は妊娠の判明などにより本剤の投与を中止する場合は、直ちに中止し、適切な処置をとる(なお、本剤投与を中止する場合には、併用薬(ワルファリンなど)の使用状況などにより、必要に応じ漸減を考慮する)。4.本剤の投与を少なくとも8週間行ったにも拘らず、臨床症状の悪化がみられた場合には、他の治療法を検討する。5.本剤の投与によりヘモグロビン減少、血小板減少等が起こる可能性があるので、投与開始時及び投与開始後4カ月間は毎月、その後は3カ月に1回の頻度で血液検査を行う。6.本剤の投与により肺水腫の徴候が見られた時は、肺静脈閉塞性疾患の可能性を考慮する。7.重度左心室機能不全を合併症に持つ患者に本剤を投与する場合、体液貯留の徴候(例えば体重増加)に対して経過観察を行い、徴候が認められた場合には、利尿剤の投与開始、又は投与中の利尿剤の増量などを考慮する。本剤投与開始前に体液貯留が認められた患者には利尿剤の投与を検討する。(相互作用)本剤は、主に薬物代謝酵素チトクロームP450(CYP2C9、CYP3A4)で代謝されるので、主にCYP2C9で代謝される薬剤、CYP3A4で代謝される薬剤と併用することにより、本剤の代謝が競合的に阻害され本剤の血中濃度を上昇させることがある。一方で本剤はCYP2C9、CYP3A4の誘導物質であり、CYP2C9で代謝される薬物、CYP3A4で代謝される薬物との併用により、併用薬剤の血中濃度が低下することがある。また、invitro試験において本剤はCYP2C19に誘導作用を示しており、CYP2C19で代謝される薬物の血中濃度を低下させる可能性がある。1.併用禁忌:1).シクロスポリン:(1).シクロスポリン<サンディミュン、ネオーラル>[本剤の血中濃度が急激に上昇し本剤の副作用が発現する恐れがある(シクロスポリンのCYP3A4活性阻害作用及び輸送蛋白質阻害による肝細胞への取込み阻害により、本剤の血中濃度を上昇させる)]。(2).シクロスポリン<サンディミュン、ネオーラル>[本剤との併用により、シクロスポリンの血中濃度が低下し効果が減弱する恐れがある(本剤のCYP3A4誘導作用により、シクロスポリンの血中濃度を低下させる)]。2).タクロリムス:(1).タクロリムス<プログラフ>[本剤の血中濃度が急激に上昇し本剤の副作用が発現する恐れがある(タクロリムスは主にCYP3A4で代謝され、シクロスポリンと同等以上に本剤の血中濃度を上昇させる可能性がある)]。(2).タクロリムス<プログラフ>[本剤との併用により、タクロリムスの血中濃度が低下し効果が減弱する恐れがある(本剤のCYP3A4誘導作用により、タクロリムスの血中濃度を低下させる)]。3).グリベンクラミド<オイグルコン、ダオニール>[本剤との併用により、肝酵素値上昇の発現率が2倍に増加した(本剤との併用により、胆汁酸塩の排泄を競合的に阻害し、肝細胞内に胆汁酸塩の蓄積をもたらし、一部の胆汁酸塩の肝毒性作用により、二次的にトランスアミナーゼの上昇をもたらす可能性がある)]。2.併用注意:1).ワルファリン[本剤との併用により、ワルファリンの血中濃度が低下することがあるため、ワルファリンを併用する際には、凝血能の変動に十分注意しながら、必要に応じ用量を調整する(本剤のCYP2C9及びCYP3A4誘導作用により、ワルファリンの血中濃度を低下させる)]。2).ケトコナゾール(経口剤、注射剤は国内未発売)[本剤の血中濃度が上昇し本剤の副作用が発現しやすくなる恐れがある(ケトコナゾールのCYP3A4阻害作用により、本剤の血中濃度を上昇させる)]。3).フルコナゾール[本剤の血中濃度が上昇し本剤の副作用が発現しやすくなる恐れがある(フルコナゾールのCYP2C9及びCYP3A4阻害作用により、本剤の血中濃度を上昇させる可能性がある)]。4).HMG-CoA還元酵素阻害薬(シンバスタチン等)[本剤との併用により、シンバスタチンの血中濃度が低下し、シンバスタチンの効果が減弱し、また、CYP3A4又はCYP2C9により代謝されるスタチン製剤及びその活性水酸化物の血中濃度を低下させ効果を減弱させる可能性があるため、これらの薬剤を併用する場合には、血清コレステロール濃度を測定し、必要に応じ用量を調整する(本剤のCYP3A4又はCYP2C9誘導作用により、シンバスタチン及びこれらの酵素により代謝されるスタチン製剤の血中濃度を低下させる)]。5).リファンピシン[本剤の血中濃度が低下し本剤の効果が減弱する恐れがある(リファンピシンのCYP2C9及びCYP3A4誘導作用により、本剤の血中濃度を低下させる)]。6).Ca拮抗薬:(1).Ca拮抗薬[本剤との併用により、血圧低下を助長する恐れがある(両剤の薬理学的な相加作用等が考えられる)]。(2).Ca拮抗薬[本剤との併用により、Ca拮抗薬の血中濃度が低下する可能性がある(本剤のCYP3A4誘導作用により、Ca拮抗薬の血中濃度を低下させる可能性がある)]。7).経口避妊薬[本剤との併用により、経口避妊薬の血中濃度が低下し避妊効果が得られない恐れがある(本剤のCYP3A4誘導作用により、経口避妊薬の血中濃度を低下させる)]。8).グレープフルーツジュース[本剤の血中濃度が上昇し本剤の副作用が発現しやすくなる恐れがあるので、本剤投与時はグレープフルーツジュースを摂取しないようにする(グレープフルーツジュースに含まれる成分のCYP3A4阻害作用により、本剤の血中濃度が上昇する可能性がある)]。9).セイヨウオトギリソウ<セント・ジョーンズ・ワート>含有食品[本剤の血中濃度が低下する恐れがあるので、本剤投与時はセイヨウオトギリソウ含有食品を摂取しないようにする(セイヨウオトギリソウに含まれる成分のCYP3A4誘導作用により、本剤の血中濃度が低下する可能性がある)]。10).プロスタグランジン系薬物(ベラプロストナトリウム、エポプロステノールナトリウム)[本剤との併用により、血圧低下を助長する恐れがある(両剤の薬理学的な相加作用等が考えられる)]。11).PDE5阻害薬:(1).PDE5阻害薬(クエン酸シルデナフィル、塩酸バルデナフィル、タダラフィル)[本剤との併用により、血圧低下を助長する恐れがある(両剤の薬理学的な相加作用等が考えられる)]。(2).PDE5阻害薬(クエン酸シルデナフィル、塩酸バルデナフィル、タダラフィル)[本剤との併用により、PDE5阻害薬の血中濃度が低下する可能性がある(本剤のCYP3A4誘導作用により、この酵素で代謝されるPDE5阻害薬の血中濃度を低下させる可能性がある)]。(3).PDE5阻害薬(クエン酸シルデナフィル)[本剤との併用により、シルデナフィルの血中濃度が低下し、本剤の血中濃度が上昇する(本剤のCYP3A4誘導作用により、シルデナフィルの血中濃度を低下させ、また、機序は不明であるが、シルデナフィルは本剤の血中濃度を上昇させる)]。12).HIV感染症治療薬(リトナビル等)[本剤の血中濃度が上昇し本剤の副作用が発現しやすくなる恐れがある(これらの薬剤のCYP3A4阻害作用により、本剤の血中濃度を上昇させる可能性がある)]。(妊婦・産婦・授乳婦等への投与)1.妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しない[動物実験で催奇形性が報告されている]。2.授乳中の婦人には投与しないことが望ましい[授乳中の投与に関する安全性は確立していない]。(小児等への投与)低出生体重児、新生児に対する安全性は確立していない[低出生体重児及び新生児に対する使用経験がない]。(過量投与)過量投与は、重度血圧低下を起こす可能性がある。(適用上の注意)1.薬剤交付時:1).PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導する(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)。2).本剤は小児が容易に中身を取り出せないように包装に工夫が施されているため、PTPシートから取り出す際には、裏面の目印箇所から保護フィルムを剥がした後、ゆっくりと指の腹で錠剤を押し出すようにして取り出すよう指導する。2.分割後:本剤を分割後は、密閉容器にて室温で保管の上、3カ月以内に使用する。3.服用時:スプーン等に少量の水(錠剤を覆う程度の量)を入れ、これに本剤を加えて分散してから服用し、更に、使用したスプーン等に再度少量の水を加え服用する(可能な場合には、服用後にコップ一杯程度の水を飲む)。本剤の分散には、水以外を使用しない。(その他の注意)1.エンドセリン受容体拮抗薬の一部において、10週以上の投与により雄ラットで輸精管萎縮、精子数減少、受胎率低下が認められた。2.海外において、ボセンタン水和物普通錠の投与により肝硬変及び肝不全が現れたとの報告がある。
国内の小児肺動脈性肺高血圧症患者(1~13歳)を対象とした臨床試験において、安全性解析対象例6例中1例(16.7%)に副作用が認められた。認められた副作用は、血中リン増加(16.7%)であった(申請時)。海外の小児肺動脈性肺高血圧症患者(0~11歳)を対象とした臨床試験において、安全性評価対象例100例中23例(23.0%)に副作用が認められた。主な副作用は、鼻閉4例(4.0%)、腹痛4例(4.0%)、胸痛3例(3.0%)、潮紅3例(3.0%)、頭痛3例(3.0%)であった(申請時)。1.重大な副作用1).重篤な肝機能障害(1.3%):AST上昇(GOT上昇)、ALT上昇(GPT上昇)等を伴う重篤な肝機能障害が現れることがあるので、定期的な検査及び十分な観察を行い、肝機能検査値の異常が認められた場合はその程度及び臨床症状に応じて、減量及び投与中止など適切な処置をとる。2).汎血球減少、白血球減少、好中球減少、血小板減少、貧血(頻度不明):汎血球減少、白血球減少、好中球減少、血小板減少、貧血(ヘモグロビン減少)が現れることがあるので、定期的な検査及び十分な観察を行い、異常が認められた場合には減量及び投与中止など適切な処置をとる。3).心不全、うっ血性心不全(頻度不明):心不全増悪することがあるので、投与中は観察を十分に行い、体液貯留、急激な体重増加、心不全症状増悪・徴候増悪(息切れ増悪、動悸増悪、心胸比増大増悪、胸水増悪等)あるいは心不全症状・徴候(息切れ、動悸、心胸比増大、胸水等)が発現した場合には、投与を中止するなど適切な処置を行う。2.その他の副作用(国内及び海外データ):次のような副作用が認められた場合には、必要に応じ、減量及び投与中止など適切な処置をとる。1).神経系障害:(10%以上)頭痛、(10%未満)体位性眩暈、(頻度不明)浮動性眩暈。2).心臓障害:(10%未満)動悸。3).血管障害:(10%未満)ほてり、潮紅、血圧低下。4).呼吸器、胸郭及び縦隔障害:(頻度不明)呼吸困難。5).胃腸障害:(頻度不明)悪心、嘔吐、下痢。6).肝胆道系障害:(10%以上)肝機能異常。7).皮膚及び皮下組織障害:(頻度不明)皮膚炎、皮膚そう痒症、発疹。8).筋骨格系及び結合組織障害:(10%以上)筋痛、(10%未満)背部痛。9).全身障害及び投与局所様態:(10%以上)倦怠感、(10%未満)下肢浮腫、疲労、(頻度不明)発熱、浮腫。10).臨床検査:(10%以上)AST上昇(GOT上昇)、ALT上昇(GPT上昇)、γ-GT上昇(γ-GTP上昇)、白血球数減少、ヘモグロビン減少、(10%未満)Al-P上昇、赤血球数減少、好酸球数増加、ヘマトクリット減少、(頻度不明)血小板数減少、ビリルビン上昇。11).代謝及び栄養障害:(頻度不明)体液貯留。成人及び小児肺動脈性肺高血圧症患者を対象とした国内及び海外臨床試験成績より算出した。
1.血管収縮の阻害ボセンタンはラットから摘出した内皮剥離大動脈のET‐1刺激による収縮(ETA受容体媒介性)及び上皮剥離気管のサラフォトキシンS6c刺激による収縮(ETB受容体媒介性)を阻害し、そのpA2はそれぞれ7.2及び6.0であった。2.細胞増殖の阻害ボセンタンはET‐1のETA及びETB両受容体を介した細胞増殖を阻害した。自然発症高血圧ラットより採取した動脈血管平滑筋細胞及び気管平滑筋細胞のET‐1刺激による細胞増殖を阻害した。3.血管内皮機能の改善ボセンタンはラット心臓において、虚血/再灌流時の冠血管におけるアセチルコリン誘発内皮依存性弛緩反応の低下を改善することにより内皮機能を高めた。また、ボセンタンは本モデルにおいて、左心室圧及び冠血流を改善することにより心筋機能を高めた。また別のモデルでは、ボセンタンは一酸化窒素合成酵素阻害剤により誘発した昇圧を抑制した。4.病態モデルに対する作用1)肺動脈高血圧動物モデルボセンタンは低酸素曝露により誘発した肺動脈高血圧動物モデルにおいて、全身血圧に影響せず平均肺動脈圧の上昇を抑制した。また、ボセンタンは低酸素の慢性曝露で誘発した右心室心筋重量比の増大並びに小肺動脈内壁の肥厚を抑制した。2)食塩高血圧動物モデルボセンタンはDOCA食塩高血圧ラットにおいて、左室壁の肥厚を低下させ、心内膜下の間質コラーゲン及び血管周囲のコラーゲン量を低下させた。3)肺線維症動物モデルボセンタンはブレオマイシンにより誘発した肺線維症動物モデルにおいて、結合組織の体積分率の上昇及び気腔の体積分率の低下を抑制した。5.作用機序ボセンタンはエンドセリンETA及びETBの両受容体に非選択的に結合するエンドセリン受容体拮抗薬である。両受容体を阻害することにより、ET‐1による血管収縮、細胞増殖及び肥大、細胞外マトリックス産生等を抑制する。
1.国内における臨床成績日本人小児肺動脈性肺高血圧症患者を対象に本剤をボセンタンとして1回2mg/kgを1日2回投与した際の有効性、薬物動態及び安全性を確認する多施設共同、非盲検試験を実施した(n=6)。主要評価項目とした投与12週時のベースラインからの肺血管抵抗係数の変化量(平均値±標準偏差)は、-4±258.6dyn・sec・m2/cm5(中央値:37.5)であり、各症例の結果は次記のとおりであった。副次評価項目とした投与12週時のベースラインからの平均肺動脈圧及び心係数の変化量は、それぞれ、-4.7±10.9mmHg及び-0.40±0.71L/min/m2であった。また、投与12週時のWHO機能分類は全例が不変であった。表日本人小児肺動脈性肺高血圧症患者の肺血管抵抗係数--------------------------表開始--------------------------年齢(歳)肺血管抵抗係数(dyn・sec・m2/cm5)投与開始前投与12週時172058233063285660727612001578128318841317291323--------------------------表終了--------------------------2.海外における臨床成績1)本剤を用いた臨床試験(1)試験1外国人小児肺動脈性肺高血圧症患者を対象に本剤をボセンタンとして1回2mg/kg又は4mg/kgを1日2回投与した際の薬物動態、有効性及び安全性を確認する多施設共同、非盲検試験を実施した(n=36)。最大で約5年間(中央値:約2.3年)投与された。投与終了時のWHO機能分類(n=28)は、39.3%が改善、53.6%が不変、7.1%が悪化であった。(2)試験2外国人小児肺動脈性肺高血圧症患者を対象に本剤をボセンタンとして1回2mg/kgを1日2回又は3回、24週間投与した際の薬物動態、有効性及び安全性を確認する多施設共同、非盲検試験を実施した(n=64)。投与終了時のWHO機能分類は、1日2回投与群(n=33)で21.2%が改善、75.8%が不変、3.0%が悪化であり、1日3回投与群(n=31)で9.7%が改善、87.1%が不変、3.2%が悪化であった。2)ボセンタン水和物普通錠を用いた臨床試験外国人小児肺高血圧症患者を対象にボセンタン水和物普通錠を患者の体重に併せてボセンタンとして1回31.25mg、62.5mg又は125mgを1日1回又は2回投与した際の薬物動態、有効性及び安全性を確認する多施設共同、非盲検試験を実施した(n=19)。肺血行動態パラメータを測定した17例における、投与12週時のベースラインからの各肺血行動態パラメータの変化量は次のとおりであった。表肺血行動態パラメータのベースラインからの変化量--------------------------表開始--------------------------平均変化量95%信頼区間肺血管抵抗係数(dyn・sec・m2/cm5)-300-576、-24平均肺動脈圧(mmHg)-8.0-12.2、-3.7心係数(L/min/m2)0.50-0.20、1.21--------------------------表終了--------------------------