第9回 何もかも前代未聞な本【Dr.倉原の“俺の本棚”】

  • 公開日:2018/09/14
企画・制作ケアネット

ほかのドクターがどんな本を読んでいるのか、気になりませんか?CareNet.com “おどろき”医学論文が好評の呼吸器内科医 倉原優氏が、自身の本棚から「これは!」とウナる本を毎月1冊ピックアップ。思わず読みたくなる“医書”を紹介します。

※紹介する書籍は倉原氏個人の選書です。ケアネットが推薦するものではありません。

【第9回】何もかも前代未聞な本

病気について患者さんにわかりやすくかみ砕いて伝えることって、医師の責務だと私は思っています。「血管が狭窄していまして―――」「先生、キョウサクってなんだい」といったやりとりは日常茶飯事です。医者が専門用語じゃないと思っていても、話している内容の半分も向こうに伝わっていない可能性があります。こういう病院の現状を何か形にできないものかなぁと数年前から悶々と考えていたら、あの中山 祐次郎先生が『医者の本音』を出版しました。や、やられた!

『医者の本音』

中山 祐次郎/著. SBクリエイティブ. 2018

中山 祐次郎先生は、Yahoo!ニュース個人や日経ビジネスオンラインで幾度となく登場する売れっ子コラムニストドクターです。福島第一原発の近くにあった高野病院の臨時院長として赴任したときは、連日ニュースに出演されていましたね。私とは目指すところも見ているものも違うと思いますが、ああいう人が一つの目標でもあるのです。まぁ何ていうか、羨望、ジェラシーですよ。

Twitterでは、中山 祐次郎先生と匿名でちょこちょこ絡ませていただいているのですが、人柄の良さがにじみ出るというか、なんていうか、すごく「凛々しい」んですよ。いや、モテるんだろうな、きっと。私なんて、ここ最近前髪がちょっと後退している気がしていて、そんな矢先に患者さんに「アレ、先生ハゲたよね?」とズバっと言われて凹んでいる中年男性ですよ。まぁ何ていうか、ジェラシーですよ。

そんなジェラしさ全開の中山 祐次郎先生が書いたこの『医者の本音』。コンセプトは、医者のホンネを書くことで、医者を身近に感じられるのではないか、とっつきづらい医者とのコミュニケーションを円滑になるのではないか、というものです。そして、より多くの意見を取り入れるため、クラウドファンディングで出版するアイデアを思いつかれました。出資者にお金を払ってもらい、主体的に本づくりに参加してもらおうということです。これは前代未聞です。実はワタクシ、このクラウドファンディングに参加しています

患者さんが医者のことを知るための一般向けの本ですが、医師が読んでも面白いところだらけです。個人的には第4章「医者の収支と恋」がハンパなく面白かった。中山先生ハンパないって。

批判的で辛口な文章がなく、読後感がとても爽やかです。明日からお医者さん頑張るぞ、という気分にさせてくれます。私みたいな中年オヤジには、こんな爽やかな本は書けない。

あ、ジェラシーで終わってしまった。

※本づくりにはタッチせず、遠方から温かい目だけ送っていました。本の中に私の名前が書いてあるから、みんな見てね!

『医者の本音』

中山 祐次郎/著
出版社名
SBクリエイティブ
定価
本体820円+税
サイズ
新書判
刊行年
2018年

倉原 優 ( くらはら ゆう ) 氏近畿中央呼吸器センター

[略歴]

2006年滋賀医大卒業。洛和会音羽病院を経て08年から現職。

自身のブログ「呼吸器内科医」では医学論文の和訳や医療エッセーを執筆。

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