呼吸器科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:63

ガーダントヘルスジャパン、Guardant360 CDxでエスアールエルと業務提携

 ガーダントヘルスジャパンとエスアールエルは、固形がん患者を対象とした包括的がんゲノムプロファイリング(CGP)用リキッドバイオプシー検査Guardant360 CDx がん遺伝子パネル(Guardant360CDx)のサービス提供のために業務提携契約を締結した。  ガーダントヘルスジャパンは、今回の業務提携によりSRLの遺伝子検査領域におけるロジスティックスならびにネットワーク、サービスを活用することが可能となる。SRLが医療機関から検体を受理してから14日を目途に、国立がん研究センター、がんゲノム情報管理センター(C-CAT)およびGuardant360 CDxがん遺伝子パネル検査ポータルに解析結果を提供する。

ニボルマブ+イピリムマブによるNSCLC1次治療、CheckMate227試験5年追跡結果/JCO

 CheckMate 227 Part1の5年間の結果がJournal of Clinical Oncology誌2022年10月12日号で発表された。ニボルマブとイピリムマブの併用は、PD-L1の状態にかかわらず、転移を有する非小細胞肺がん(NSCLC)の5年生存(OS)率を改善していた。  最低追跡期間61.3ヵ月の解析で、PD-L1≧1%集団の5年OS率はニボルマブ+イピリムマブ群の24%に対し、化学療法群では14%であった。PD-L1<1%集団では、ニボルマブ+イピリムマブ群の19%に対し、化学療法群では7%であった。

新型コロナ飲み薬、心疾患治療薬との併用で相互作用の可能性も

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の飲み薬の1つである抗ウイルス薬のパクスロビド(一般名ニルマトレルビル・リトナビル、日本での商品名パキロビッドパック)は、高リスク患者を重症化から守ることで世界のパンデミックの様相を大きく変えた。そうした中、脂質低下薬や抗血栓薬、抗不整脈薬など、広く処方されている心疾患の治療薬とパクスロビドを併用するとリスクがもたらされる可能性を警告する論文を、米レーヘイ・ホスピタル&メディカル・センターのSarju Ganatra氏らが「Journal of the American College of Cardiology」に10月12日発表した。同氏は、「一部の心疾患患者はパクスロビドの使用を避けるか、同薬による治療を受けている間は心疾患の薬を減らす必要があるかもしれない」と述べている。

4割の米国成人がCOVID-19関連で虚偽の言動をしていた

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックが現在より深刻だった昨年末に、米国人の40%以上が自分のCOVID-19既往歴や感染対策の実施状況について、虚偽の言動をしていたことが明らかになった。米ミドルセックス・コミュニティーカレッジのAndrea Gurmankin Levy氏らの研究の結果であり、詳細は「JAMA Network Open」に10月10日掲載された。  Levy氏らは、COVID-19の公衆衛生対策に関する虚偽の言動や、推奨される感染予防措置を守らない行動の頻度とその理由に関するオンライン調査を、2021年12月8~23日に実施。調査パネルに登録されている全米各地の成人の中から、COVID-19の既往のある人、COVID-19の既往がなく少なくとも1回はワクチン接種を受けた人、既往がなくワクチン接種を受けていない人がそれぞれ3分の1になるように、計2,260人に回答協力を依頼した。アンケートは、自分が感染している(またはその可能性がある)時に、直接会う人にそれを伝えたか否かなどの9項目の質問と、そのような行動を取った理由、および、信仰、支持政党などを含む社会人口学的因子に関する質問で構成されていた。

コロナ軽症でも、高頻度に罹患後症状を発症/BMJ

 重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)による感染症の急性期後6~12ヵ月の時期における、患者の自己申告による罹患後症状(いわゆる後遺症、とくに疲労や神経認知障害)は、たとえ急性期の症状が軽症だった若年・中年の成人であってもかなりの負担となっており、全体的な健康状態や労働の作業能力への影響が大きいことが、ドイツ・ウルム大学のRaphael S. Peter氏らが実施した「EPILOC試験」で示された。研究の成果は、BMJ誌2022年10月13日号に掲載された。  EPILOC試験は、ドイツ南西部バーデン・ビュルテンベルク州の4つの地域(人口計約270万人)で行われた住民ベースの研究で、2020年10月1日~2021年4月1日にポリメラーゼ連鎖反応(PCR)検査でSARS-CoV-2陽性と判定された18~65歳の集団が解析の対象となった(バーデン・ビュルテンベルク州Ministry of Science and Artの助成を受けた)。

コロナ流行で糖尿病関連死が30%増加、とくに若年で顕著

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックによって、米国における2021年および2022年の糖尿病関連の死亡が、パンデミック以前と比べて30%以上増加したことを、中国・西安交通大学のFan Lv氏らが報告した。糖尿病は新型コロナ感染症の重症化の重大なリスク因子であるとともに、新型コロナウイルス感染は血糖コントロールの悪化につながることが報告されている。同氏らは、パンデミックによって糖尿病患者の治療の提供が混乱したことから、パンデミック中の糖尿病関連の死亡の傾向を調査した。eClinicalMedicine誌9月23日掲載の報告。

TSLPを標的とした重症喘息の新たな治療選択肢

 2022年10月24日、アストラゼネカは、都内にて「テゼスパイアによる重症喘息治療への貢献」をテーマにメディアセミナーを開催した。  現在の重症喘息治療における課題は複雑な炎症経路である。ウイルスやアレルゲン、ハウスダストなど環境因子の刺激により、気道上皮から上皮サイトカインが産生され、その結果、アレルギー性炎症や好酸球性炎症、気道のリモデリングなど、複数の経路から喘息が増悪すると考えられている。上皮サイトカインのなかでも、炎症カスケードの起点となっているのが胸腺間質性リンパ球新生因子(TSLP)である。TSLPは、喘息の重症化や呼吸機能低下だけでなく、気道のリモデリングやステロイド反応性の低下、ウイルス感染に対する過剰な2型炎症にも関与していると考えられている。

妊婦へのコロナワクチン接種をメタ解析、NICU入院や胎児死亡のリスク減

 妊娠中のCOVID-19ワクチン接種による周産期アウトカムへの影響について、有効性と安全性を評価するため、筑波大学附属病院 病院総合内科の渡邊 淳之氏ら日米研究グループによりシステマティックレビューとメタ解析が行われた。本研究の結果、ワクチン接種が新生児集中治療室(NICU)入院、子宮内胎児死亡、母親のSARS-CoV-2感染などのリスク低下と関連することや、在胎不当過小(SGA)、Apgarスコア低値、帝王切開分娩、産後出血、絨毛膜羊膜炎などといった分娩前後の有害事象のリスク上昇との関連がないことが示された。JAMA Pediatrics誌オンライン版2022年10月3日号に掲載の報告。

オミクロン感染7日目、3割が抗原検査陽性

 米国疾病対策予防センター(CDC)は、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染時の隔離期間について症状の有無にかかわらず5日間を推奨している。また日本では、症状のある人は発症日から7日間隔離、症状がない人は検査陽性となった日から7日間隔離で抗原検査陰性になれば5日間に短縮可能としている。今回、米国・スタンフォード大学のJessica Tsao氏らが、SARS-CoV-2陽性を示した学生スポーツ選手において、診断日から7日目の迅速抗原検査で27%が依然として陽性であったことを報告した。また、症状ありの感染者、オミクロンBA.2変異株感染者で陽性率が高かった。JAMA Network Open誌2022年10月18日号に報告。

喫煙妊婦、金銭的報奨で禁煙率が2倍以上に/BMJ

 英国の妊娠中の喫煙者では、現行の禁煙サービスに加え、妊婦の禁煙のための最大400ポンドの金銭的報奨を提供すると、禁煙率が2倍以上に向上し、重篤な有害事象は増加しなかったことが、英国・グラスゴー大学のDavid Tappin氏らが実施した無作為化試験「CPIT III試験」で示された。研究の成果は、BMJ誌2022年10月19日号で報告された。  CPIT III試験は、妊婦向けの禁煙支援としての金銭的な報奨の有効性の評価を目的とする実践的な単盲検無作為化第III相試験であり、2018年1月9日~2020年4月4日の期間に、スコットランド、北アイルランド、イングランドの7つの産科病院で参加者の登録が行われた(Cancer Research UKなどの助成を受けた)。