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[呼吸器] 米国胸部学会議(ATS2005)  CareNet.com

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米国胸部学会議(ATS2005)




第3回 配信分


COPDのair trapping減少、息切れ改善、活動制限減少を可能にする介入とは
Interventions that reduce air trapping, improve breathlessness and reduce acticity limitation in COPD.

演者:D.O'Donnell, Kingston, ON, Canada

息切れによる日常活動制限はCOPD患者でよくみられる訴えであるが、その主な原因は、コリン作動性気道収縮による気流制限の結果としてもたらされ、肺に空気がたまる air trappingである。とりわけ労作時にはこの肺の過膨脹が大きくなり、動的過膨脹が起こる。air trappingは、健康状態の悪化やQOLの低下を引き起こし、ひいては死亡率も増加させる可能性がある。カナダQueen's UniversityのO'Donnell氏は、COPDにおけるair trappingを軽減させ、息切れを改善し、活動制限を減少させるための介入について解説。その中で、気管支拡張薬や運動トレーニング、酸素療法、さらにはそれらの併用による治療が有効であることを強調した。


COPDの地域差、気道可逆性に影響を与える因子とは?:UPLIFT試験からの報告
Regional patterns in characteristics of patients recruited into a long-term global clinical trial in COPD(UPLIFT). Bronchodilator responsiveness in COPD patients enrolled in the UPLIFT trial.

演者:D.Tashkin, B.Celli, M.Decramer, R.Pauwels, S.Menjoge, D.Burkhart, C.Cassino, S.Kesten, Belgium, USA.

24時間にわたり持続的に気管支を拡張させ、COPD患者の肺機能を改善する長時間作用型抗コリン薬チオトロピウム。本薬剤については現在、COPDの臨床試験としては参加国数、患者例数とも最大規模のUPLIFT(Understanding Potential Long-term Impacts on Function with Tiotropium)試験がスタートしており、肺機能、急性増悪、QOL、死亡率に対する有効性について長期追跡が実施されている。本年のATSでは、Tashkin氏らからUPLIFT試験の登録患者における患者背景の地域差、ならびに試験開始時の可逆性試験結果に関し、それぞれポスター発表が行われた。


COPDにおける呼吸リハビリテーション後の多次元重症度指数 BODE index の改善は生存率と相関する
Improvement in the Multivariable Disease Severity Index BODE after Pulmonary Rehabilitation (PR) Correlates with the Survival in COPDC.

演者:C.Cote, B.C.Celli, L.J.Dordelly, BayPines, FL, Boston, MA.

呼吸リハビリテーション(PR)はCOPD患者の運動耐容能および呼吸困難を改善するが、これら2つのアウトカムはCOPD患者の生存率の重要な予測因子である。また、BMI、FEV1、呼吸困難、および6分間の歩行距離(6MWD)の4つの因子から算出されるBODE index(スコア0〜10)はCOPD患者の死亡率を予測する。Cote氏らは、BODE indexで評価したCOPDの重症度をPRが改善することや、BODE indexの変化が生存率の予測に役立つことを示唆する結果を得た。


急性増悪、入院を引き起こすCOPD患者の特性とは
Clinical and demographic characteristics of at-risk patients with COPD

演者:M.Miravitlles, M.Calle, F.Alverez, L.Lopez, BST, A.Martin, E.Gobartt, Toronto, ON, Canada, Barcelona, Zaragoza, Madrid, Spain

COPD患者がたびたび急性増悪をきたせば、予後が悪化しQOLに悪影響が生じるのはもちろん、入院費を含めた医療費が大幅に増加する。したがって急性増悪を抑制する治療法の検討に加え、発生予測に関する研究についても、ここ数年多大な努力が注がれている。スペインのMiravitlles氏らは今回、COPD患者の人口統計学的特性を検討し、急性増悪リスクにはCOPDの重症度や吸入ステロイド使用などが影響を及ぼすことを指摘した。さらに入院の発生リスクについても分析を行い、急性増悪の場合とは異なる因子の関与を明らかにした。




第2回 配信分


チオトロピウム9ヵ月間治療後にCOPD患者の健康状態が臨床的に有意に改善:TIPHON 試験
Clinically Significant Improvements of Health Status of COPD Patients after 9 Months Treatment with Tiotropium Bromide: The TIPHON Study

演者:A.Tonnel, M.Bravo, M.Brun, Lille, Reims, Cedex, France.

COPDは健康状態に大きな影響を及ぼす可能性がある。したがって、疾患の進行や治療の有効性を検討するためには健康関連QOLも評価すべきであるが、通常の診療でそれが評価されることはほとんどない。フランスで実施されたTIPHON試験ではチオトロピウムを用いた治療がCOPD患者の健康関連QOL指標や肺機能に及ぼす影響について検討され、チオトロピウムが肺機能を改善するとともに、健康状態も臨床的に有意に改善することが示された。同研究をリードしたTonnel氏が発表した。


チオトロピウムは初回投与後のピークFEV1反応の増加率が15%以上か否かにかかわらずCOPDの急性増悪を減少させる
Reduced COPD Exacerbations in Patients with and without First-Dose Peak FEV1 Increases ≧15% with Tiotropium

演者:D.Niewoehner, R.Gonzalez-Rothi, J.Shigeoka, L.Korducki, C.Cassino, S.Kesten, Ridgefield, CT, Gainesville, FL, Minneapolis, MN, Salt Lake City, UT.

気管支拡張薬がCOPDの急性増悪の頻度を減少させるメカニズムとして、気管支平滑筋弛緩による気道開存の改善が提唱されている。もしこれが唯一のメカニズムであるならば、気管支拡張薬に対する反応性が大きい患者ほど急性増悪の減少がより期待できると考えられる。この仮説を検証するため、D. Niewoehner氏らは、同氏らがすでに報告しているVA Medical Systemによる6ヵ月無作為化二重盲検プラセボ対照試験のデータを用いてpost-hoc 分析を実施。チオトロピウムが急性増悪の頻度を有意に減少させ、またこの効果が初回投与後の反応(ピークFEV1増加率が15%以上か否か)にかかわらず認められることを明らかにした。


Clinical Year in Review:1年間のCOPD研究を振り返る
Clinical Year in Review :Chronic Obstructive Pulmonary Disease

演者:M.D.L. Morgan, M.D. Department of Respiratory Medicine and Thoracic Surgery University Hospitals of Leicester, Leicester, England

ATS恒例の「Clinical Year in Review」では、Morgan氏がCOPDの臨床に関する最近1年間の研究をレビューした。同氏はまず、COPDへのアプローチに2つの変化が起こっていると指摘。「1つは、気道局所の障害を超えたアプローチへのシフト。気道局所のみに注目していては治療による回復の機会を十分に捉え切れないことが明らかになり、治療の目的が症状や身体活動、健康状態の改善へと移ってきた。それに伴い、より包括的な診断や治療が求められている。もう1つの変化は、エビデンスに基づく診療へのシフト。ATSとERSの共同によるCOPDガイドラインや英国のNICEガイドラインが作成されたが、これらはいずれもエビデンスを検証・評価し、それに基づいて勧告を行っている」とした。その上で、最近の主な研究論文として7編を取り上げた。ここではその中から、COPDの予後指標、活動性の制限、および急性増悪と炎症をめぐる3編を紹介する。


米国における電話調査が示すCOPDの認知度
Changes in public awareness of chronic obstructive pulmonary disease

演者:S.Kesten, J.Ulrich, D.Rich, Ridgefield, CT, Princeton, NJ.

わが国のCOPD患者は500万人以上、40歳以上の8.6%に上ると推定されているにも関わらず、COPDという病名やその症状が一般に広く知られているとは言い難い。米国でもその事情は同様であり、Kestenらは以前1999〜2003年における調査結果から、一般人口におけるCOPDの認知度が低いことを報告している。しかし、今回同氏らが引き続き実施した2004年の調査結果によれば、COPDに対する社会認識は十分ではないものの、少しずつ改善しているようである。




第1回 配信分


チオトロピウムは運動中種々の症状を呈する患者における運動耐容能を改善
Influence of the Exercise-Limiting Symptom on the Relationship between Lung Hyperinflation and Endurance Time in COPD Patients Treated with Tiotropium

演者:D.O'Donnell, A.Hamilton, S.Kesten, Ridgefield, Kingston, ON, Canada

COPD患者において運動耐容能との関連が指摘される「動的肺過膨脹(dynamic hyperinflation)」は過去数年、本領域の臨床研究におけるキーワードとなっている。昨年のATSにおいて、O'Donnell氏らは長時間作用型抗コリン薬チオトロピウムが安静時だけでなく運動負荷時のIC(最大吸気量)を改善することを報告し、本薬剤が動的肺過膨脹を軽減することを明らかにした。同氏らの研究グループは本年、下肢や呼吸に関する障害といった運動を制限する症状(Exercise-Limiting Symptom: ELS)に注目。チオトロピウムの効果とこれら症状との関連を検討した。


様々な治療歴を持つプライマリケア患者に対しても有効性を示すチオトロピウム:SPRUCE試験
SPiRiva Usual CarE(SPRUCE)-Tiotropium in a UK Primary Care COPD Population Receiving Other Inhaled Treatment.

演者:D.Price, M.Sarno, A.Lee, K.Viel, D.Freeman, England, Germany, Scotland

わが国で最近臨床使用が可能となった長時間作用型抗コリン薬チオトロピウムは、大規模な臨床研究により、肺機能や呼吸困難、急性増悪発生、QOLなどの指標に対して優れた効果を示すことが明らかとなっている。しかしプライマリケア施設を訪れる多彩な背景を持つ患者を対象とした有用性は、これまで検討されてこなかった。
わが国より一足先にチオトロピウムが承認・発売された英国のPrice氏らは、この点に注目して新たな研究を実施し、「チオトロピウムは幅広いプライマリケア患者に対して有効」との結論を導き出した。


スパイロメトリーを用いないCOPD診断へのアプローチ
Anticholinergic bronchodilator reversibility test as a screening test for the practical diagnosis of COPD

演者:S. Teramoto, H.Yamamoto, MD, Y.Yamaguchi, MD, Y.Ouchi, MD, University of Tokyo, Japan

COPDにおいて "underdiagnosis"(未診断/潜在患者)の問題がいまだ改善されていないことは、これまで繰り返し指摘されている。本疾患の確定診断にスパイロメトリーが必要であることは広く理解されているものの、いずれの国でもその普及は十分でなく、プライマリケア施設でルーチンに実施することは困難といわれている。
そうであるとすれば、より簡便に実施でき、可能な限り正確なCOPDの診断法を開発することが急務である。今回寺本信嗣 氏(東京大学医学部附属病院老年病科)らが報告したのは、注目のCOPD治療薬チオトロピウムが診断にも有用であるとの興味深い知見である。


呼吸リハビリテーションに抗炎症効果
Impact of Pulmonary Rehabilitation on Local and Systemic Inflammation in COPD Patients

演者:D.M. Nguyen Dang, MD, A. Servais, P. Schees, M. Henket, B. Duysinx, MD, F. Pirnay, PhD, T. Bury, PhD, R. Louis, PhD, Liege, Belgium.

COPDでは全身および局所(気管支)の有意な慢性炎症が特徴的であり、このことはこの疾患の病態における炎症過程の重要な役割を示しているようにみえる。一方、呼吸リハビリテーションはCOPD患者のケアの重要な構成要素である。D.M. Nguyen Dang氏らは、外来での3ヵ月間の呼吸リハビリテーションプログラム(PRP)がCOPD患者の全身および局所の炎症に及ぼす影響を検討し、PRPが抗炎症効果を有することを示唆する結果を得た。



米国胸部学会議(ATS2005)を振り返る:COPDの病態および治療に関する最新情報

1905年の設立から100年の歴史を誇るATS。2005年の会議はカリフォルニア州サンディエゴにて、5月20日から6日間にわたり開催された。昨年に引き続き、和歌山県立医科大学医学部内科学第三講座教授の一ノ瀬正和先生に本会議の印象をうかがうとともに、COPDに関する研究動向を解説していただいた。



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