小児科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:81

20歳までに多いがんは「白血病」

 2018年5月30日、国立がん研究センター(理事長:中釜 斉)の「がん対策情報センター(センター長:若尾 文彦)」がん統計・総合解析研究部は、2009~11年に新たにがんと診断された小児およびAYA:Adolescent and Young Adult(思春期・若年成人)世代のがん罹患率を人口集団ベースで集計し、同センターのサイト内に統計解説ページを新規に開設した。  これは、厚生労働科学研究費補助金「都道府県がん登録の全国集計データと診療情報等の併用・突合によるがん統計整備及び活用促進の研究」研究班の「地域がん登録」データを活用し、今回初めて小児からAYA世代のがん罹患率を全国規模の人口集団ベースで小児がん国際分類に従い集計したもので、がん種の順位も合わせての公表となった。

自閉スペクトラム症におけるうつ病や自殺念慮のリスクと保護因子

 自閉スペクトラム症(ASD)患者では、自殺願望や自殺行為のリスクが有意に増加している。ASD患者の社会的困難さは、しばしば社会的隔離につながり、そのことでうつ病リスクを高める可能性があると考えられる。オーストラリア・ラ・トローブ大学のDarren Hedley氏らは、ASD患者の孤独感や社会的支援が、うつ病や自殺念慮に関連する潜在的なリスクおよび保護因子に及ぼす影響について検討を行った。Depression and anxiety誌オンライン版2018年4月16日号の報告。

複合型ADHD児における運動能力がADHD症状と睡眠問題に及ぼす影響

 複合型注意欠如多動症(ADHD-Combined Type:ADHD-CT)の小児は、睡眠や運動に関する問題を有する割合が高いといわれている。オーストラリア・ディーキン大学のNicole Papadopoulos氏らは、小児においてADHD-CTの有無にかかわらず、運動能力がADHD症状と睡眠問題との関係を緩和するか、この緩和によりADHD診断に違いがあるかについて検討を行った。Behavioral sleep medicine誌オンライン版2018年3月12日号の報告。

軽症喘息へのSMART療法 vs.ブデソニド維持療法/NEJM

 軽症喘息患者に対する52週間の治療において、ブデソニド・ホルモテロール配合剤(商品名:シムビコート)の頓用はブデソニド維持療法(1日2回投与)と比較し、重症喘息増悪の発生という点では非劣性が認められたが、症状の改善は劣っていた。ただし、ブデソニド・ホルモテロール頓用患者では吸入ステロイド薬(ICS)の使用量がブデソニド維持療法患者の約4分の1であった。南アフリカ・ケープタウン大学のEric D. Bateman氏らが、軽症喘息患者を対象とした多施設共同無作為化二重盲検第III相試験「Symbicort Given as Needed in Mild Asthma 2(SYGMA2)」試験の結果を報告した。軽症喘息患者は、発作時に短時間作用性β2刺激薬(SABA)の吸入を用いることが多く、ICS維持療法のアドヒアランスは不良である。即効性吸入β2刺激薬+ICSの頓用は、こうした患者の症状改善や増悪リスクに対する新たな治療法となる可能性があった。NEJM誌2018年5月17日号掲載の報告。

軽症喘息へのSMART療法は有益か/NEJM

 軽症喘息患者に対し、ブデソニド・ホルモテロール配合剤(商品名:シムビコート)の頓用は、テルブタリン頓用に比べ、喘息コントールおよび増悪リスクの軽減に優れることが示された。一方、ブデソニド維持療法(ブデソニド+テルブタリン頓用)に対しては、電子ダイアリーの週評価でみた喘息コントロールは劣性であることが示され、増悪リスクの軽減は同程度だった。増悪の頻度は、ブデソニドを含む2療法が、テルブタリンよりも低下した。また結果として、ブデソニド・ホルモテロール頓用群がブデソニド維持療法群よりも、グルココルチコイドの曝露が大幅に少なかった。カナダ・マックマスター大学のPaul M. O’Byrne氏らが、3,849例を対象に行った、52週の二重盲検無作為化比較試験の結果で、NEJM誌2018年5月17日号で発表した。

アジアの小児自閉スペクトラム症の過敏性に対するアリピプラゾールのオープンラベル試験

 アジアの小児および青年(6~17歳)の自閉スペクトラム症の過敏性に対する、アリピプラゾールの有効性および忍容性を調査するため、韓国・蔚山大学校のHyo-Won Kim氏らは、12週間の多国籍多施設オープンラベル試験を実施した。Journal of child and adolescent psychopharmacology誌オンライン版2018年4月24日号の報告。

8種類の抗てんかん薬における主要な先天性奇形リスク比較のコホート研究

 抗てんかん薬による催奇形リスクを比較したエビデンスは不十分であり、とくに投与量に関連したエビデンスが不足している。スウェーデン・カロリンスカ大学病院のTorbjorn Tomson氏らは、抗てんかん薬の先天性奇形の発症頻度を比較するため、単剤療法で最も一般的に使用される8種類の抗てんかん薬について検討を行った。The Lancet. Neurology誌オンライン版2018年4月18日号の報告。