失明患者の視覚を回復、人工網膜システムが欧米で初承認
これまで治療法がなかった網膜色素変性症に対する、人工網膜システムArgus II(Second Sight社)が開発された。網膜色素変性症は光受容体の消失により失明に至る遺伝性のまれな疾患である。開発されたシステムは、メガネに搭載された小型カメラと映像プロセッサにより、イメージを電気信号に変換し網膜に移植した電気デバイスに送信して視覚を提供するというもの。今回、米国・ウィルズ・アイ・ホスピタルのAllen C. Ho氏らは、Argus II移植後1年および3年の臨床試験成績を報告。網膜色素変性症による失明に対し、視覚を回復するArgus IIの長期的な安全性と有用性が認められたことを明らかにした。なお、本研究の中間解析結果により承認申請がなされ、Argus IIシステムは世界初かつ唯一の網膜移植システムとして米国および欧州で承認された。Ophthalmology誌2015年8月号(オンライン版2015年7月8日)の掲載報告。