アルツハイマー病にビタミンD不足が関連 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2012/10/03 認知症の予防に食生活や栄養が関連していることが、多くの研究より報告されている。Balion氏らはビタミンDの摂取が認知機能や認知症発症に与える影響をメタアナリシスにより検討した。Neurology誌2012年9月25日号の報告。 2010年8月までに公表された英語文献を5つのデータベースから検索した(すべての報告は比較群を有する)。認知機能、認知機能障害は全体または領域の認知機能テストにより定義し、認知症は定められた基準に従って診断された。ビタミンDの測定は必須とした。2名のレビュアーによりデータ抽出後、事前に定義された基準を用い研究の質を評価した。異質性の評価にはQ検定、I(2)統計量を用いた。加重平均差(WMD)、Hedge's gによるランダム効果モデルを用いたメタアナリシスを行った。 主な結果は以下のとおり。 ・37報が基準を満たし、8報はビタミンDが50nmol/L未満/50nmol/L以上によって比較可能な平均MMSE(ミニメンタルステート検査)スコアを含んでいた。 ・MMSEの加重平均差を比較した研究では有意な異質性が認められたが、高ビタミンD群では全体的に肯定的な結果であった(1.2、95%CI=0.5 ~1.9、I(2)=0.65、p=0.002)。 ・複数の感度分析の結果、肯定的な効果は小さいながらも持続した。 ・アルツハイマー病をコントロール群と比較した報告は6報。そのうち、商用的利用のため排除した2報を除いた4報では、アルツハイマー病群ではコントロール群と比較しビタミンD濃度が低かった(WMD= -6.2nmol/L、95%CI= -10.6 ~ -1.8)。また、異質性は認められなかった(I(2)<0.01、p=0.53)。 関連医療ニュース ・「炭水化物」中心の食生活は認知症リスクを高める可能性あり ・うつ病予防に「脂肪酸」摂取が有効 ・認知症治療薬ガランタミン、ラット試験で喫煙欲求の軽減効果を確認 (ケアネット 鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Balion C, et al. Neurology. 2012 Sep 25; 79(13): 1397-1405. 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) 関連記事 認知症の進行予防にビタミンEは有効か? 医療一般(2012/11/26) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 急性冠症候群へのPCI、血管内超音波ガイド下vs.血管造影ガイド下/Lancet(2024/04/24) 新型インフルエンザ、新型コロナ両パンデミックは世界人口動態にいかなる影響を及ぼしたか?(解説:山口佳寿博氏/田中希宇人氏)(2024/04/24) ホモ接合体家族性高コレステロール血症治療薬、エヴキーザ発売/ウルトラジェニクス(2024/04/24) 肺炎診療GL改訂~NHCAPとHAPを再び分け、ウイルス性肺炎を追加/日本呼吸器学会(2024/04/24) 精神疾患患者の不眠症と外来継続率との関連(2024/04/24) 米国のインターンの半数以上がセクハラを経験(2024/04/24) 認知症患者と介護者にとって重要なのは社会的なつながり(2024/04/24) 短時間睡眠は糖尿病ハイリスク(2024/04/24) 食事からのメラトニン摂取、肝がんのリスク低下と関連(2024/04/24) [ あわせて読みたい ] Dr.林の笑劇的救急問答14<下巻>(2019/08/07) Dr.安部の皮膚科クイズ 初級編(2019/07/15) ~プライマリ・ケアの疑問~ Dr.前野のスペシャリストにQ!【精神科編】(2019/06/15) Dr.たけしの本当にスゴい高齢者身体診察(2019/05/15) J-COSMO(ジェイ・コスモ)Vol.1 No.1(2019/04/17) Dr.林の笑劇的救急問答14<上巻>(2019/03/15) 志水太郎の診断戦略ケーススタディ(2019/02/15) Dr.長尾の胸部X線クイズ 上級編 (2019/01/15) Dr.須藤のやり直し酸塩基平衡 (2018/12/15)