北米で抗菌薬シプロフロキサシンの耐性菌が広がっている?

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グラム陽性菌はもとよりグラム陰性菌に対しても強い抗菌力を発揮し頻繁に用いられるフルオロキノロン系抗菌薬シプロフロキサシンの耐性菌が、北米で初めて出現したことが報告された。NEJM誌2009年2月26日号でEpidemic Intelligence Service Programに参画するHenry M. Wu氏らの疫学調査の短報が掲載されている。

より広範な調査が求められる




耐性菌が確認された症例はノースダコタから1例、ミネソタから2例の計3例で、いずれも同じB群株に由来する耐性菌だった。報告されたのは2007年1月~2008年1月の間で、同期間中に報告された髄膜炎死亡症例(33例)の9%を占める。

ノースダコタの症例は2006年8月、同州東部にある保育所職員が髄膜炎菌性疾患と見込まれる症状で死亡したもの。髄液培養検査結果は無菌だったが、耐性髄膜炎菌はPCR陽性だった。シプロフロキサシンが同患者および同僚に投与され、子どもたちにはリファンピシンが投与された。二次症例は起きなかったが、患者1例が2007年1月に確認され、入院後セフトリアキソン治療で回復している。2008年1月にさらに2例が確認された。

ミネソタの症例は、同州西部の成人死亡例と、セフトリアキソン治療で回復した同じく西部居住の大学生の例。

3例には疫学的な関連はなく、またいずれも海外旅行の経験はなかった。

一方、耐性菌の保因を調べるため、咽頭保因サーベイを行い、1例の無症候性保菌者からの耐性菌株を分離。耐性菌が遺伝子の突然変異によって起きたことが確認された。また同様の耐性菌は、2007年1月~2008年1月の間に報告された症例のうちカリフォルニアの症例で同定されている。

Wu氏は、「耐性髄膜炎菌の感受性試験は、米国ではルーチンに行われていないが、今回のこの報告がより広範にわたるものなのかどうかわからず、まずはより広範な調査を行う必要がある」と提言している。

(武藤まき:医療ライター)

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