心房細動患者におけるdronedaroneの作用と副作用

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ケアネット

心房細動患者におけるdronedaroneの作用と副作用のイメージ



心房細動患者の治療を目的に開発された抗不整脈薬dronedaroneに関する、多施設共同臨床試験ATHENA試験の報告がNEJM誌2009年2月12日号に掲載された。死亡の付加的リスクファクターとなる心房細動を有する患者4,628例を対象に、dronedaroneの効果を評価した試験で、ゲーテ大学(ドイツ)のStefan H.Hohnloser氏らによって報告された。

投与中止患者が30%超など試験内容に限界も




試験対象の平均年齢は71.6歳(女性46.9%)で、dronedarone(400mgを1日に2回)投与群、またはプラセボ投与群に無作為に割り付けられた。

主要評価項目は心血管イベントによる初回入院または死亡。副次評価項目は全死因死亡、心血管系に起因する死亡、または心血管イベントによる入院とした。

試験結果についてHohnloser氏は、追跡期間が平均21±5ヵ月と短かった点、早期に投与を打ち切った患者が多かった点に限界があったと認めている。ちなみにdronedaroneの投与を受けた患者2,301例のうち696例(30.2%)、プラセボ投与を受けた患者2,327例のうち716例(30.8%)が中断しており、その最大の原因は有害事象によるものだった。

副作用を考慮しつつも不整脈に起因する転帰を評価




主要評価項目とした心血管イベントによる初回入院または死亡は、dronedarone投与群734例(31.9%)、プラセボ投与群917例(39.4%)だった(dronedarone投与群のハザード比0.76、95%信頼区間:0.69~0.84、P<0.001)。死亡だけを見ると、dronedarone投与群の116例(5.0%)、プラセボ投与群は139例(6.0%)で、ハザード比は0.84(95%信頼区間:0.66~1.08、P = 0.18)。また、心血管系を原因とする死亡は、dronedarone投与群が63例(2.7%)、プラセボ投与群が90例(3.9%)で、ハザード比は0.71(95%信頼区間:0.51~0.98、P = 0.03)だった。

Hohnloser氏は、dronedarone投与群の死亡が低かったのは、dronedarone投与で不整脈に起因する死亡率の減少がもたらした結果だと分析している。ただしdronedarone投与群には、徐脈や、心室頻拍などを伴うQT間隔延長、嘔気、下痢、発疹、血清クレアチニン濃度の上昇といった有害事象がプラセボ投与群より高率で現れている(甲状腺と肺に関連した有害事象の率は2群間に有意差がなかった)。それでも、「高率で現れた試験中断例や副作用を考慮しても、dronedaroneの投与によって心房細動患者の心血管イベントに起因する入院または死亡の減少をもたらすものだ」と結論づけている。

(朝田哲明:医療ライター)

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