標的化筋肉再神経分布により高機能人工腕をリアルタイムに制御可能

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ケアネット

標的化筋肉再神経分布により高機能人工腕をリアルタイムに制御可能のイメージ



上腕部を切断した後、標的化筋肉再神経分布(TMR)という技術を用いて、人工腕をリアルタイムに制御できることが明らかになった。TMRとは、残っている腕の神経を別の筋肉へ再分布するもの。ここから発生する筋電シグナルを使い、人工腕を制御しようという仕組みだ。これは、米国Rehabilitation Institute of ChicagoのTodd A. Kuiken氏らが行った研究で、明らかになったもので、JAMA誌2009年2月11日号で発表した。

肘や手首、手の動きの所要時間はコントロール群と同等




Kuiken氏らは、5人の肩または上腕切断をした患者で、2002~2006年の間にTMRの手術を受けた人と、肩や腕の切断のないコントロール群5人を対象に試験を行った。TMR群では、神経を再分布した部位から発生する筋電シグナルによって、仮想の人工腕の制御を行った。

肘や手首、手の10種の動きについて調べたところ、肘や手首の動きの選択までにかかった時間の平均値は、TMR群が0.22(標準偏差0.06)秒と、コントロール群との差はわずか0.06秒だった。肘や手首の動きの完了までの所要時間の平均値は、TMR群が1.29(標準偏差0.15)秒と、コントロール群との差は0.21秒だった。

手でつかむ動きについては、選択と完了までの所要時間のTMR群の平均値は、それぞれ0.38(同0.12)秒と1.54(同0.27)秒だった。コントロール群との差はそれぞれ、0.21秒と0.28秒だった。


実際に高性能人工腕の操作も可能




また、5秒以内に腕の動きを完了できたのは、コントロール群では100(同0)%だったのに対し、TMR群では96.3(同3.8)%、手の動きを完了できたのは、コントロール群で96.7(同4.7)%に対し、TMR群では86.9(同13.9)%だった。

さらに、TMR群5人のうち3人は、実際に電動の腕や肘、手首や手を備えた高機能人工腕を操作することができた。

(當麻あづさ:医療ジャーナリスト)

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