転移性大腸がんへのセツキシマブ併用はQOLの低下をもたらす

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ケアネット

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転移性大腸がんへの、CBレジメン(カペシタビン+オキサリプラチン+ベバシズマブ併用療法)に、上皮細胞増殖因子(EGFR)阻害剤セツキシマブ(商品名:アービタックス)を加えた場合のCBCレジメンについて、無増悪生存期間を有意に短縮し、QOLの低下をもたらすことが、臨床試験の結果として明らかにされた。KRAS遺伝子の変異が臨床予後悪化の予測因子であることも報告されている。ラドバウト大学(オランダ)のJolien Tol氏らによる報告は、NEJM誌2009年2月5日号に掲載された。

転移性大腸がん患者755例を無作為割り付け




試験は、初回治療を受ける転移性大腸がん患者755例を、カペシタビン+オキサリプラチン+ベバシズマブの併用療法(CBレジメン、378例)と、さらにセツキシマブの毎週投与を加えた療法(CBCレジメン、377例)に無作為に割り付け行われた。

プライマリエンドポイントは、無増悪生存期間。加えて、大腸がんの40%で観察されるKRAS遺伝子変異の有無が予後の予測因子となるかについても評価を試みた。

KRAS遺伝子変異例へのセツキシマブ投与は予後を悪化




無増悪生存期間の中央値は、CBレジメン群が10.7ヵ月、CBCレジメン群が9.4ヵ月(P = 0.01)だった。QOLスコアはCBC群のほうが低く、総生存率と反応率は2つの群で有意差がなかった。CBCレジメンの治療を受けた群には、グレード3または4の有害事象がより多かったが、これはセツキシマブに起因する有害な皮膚所見だった。

変異したKRAS遺伝子を有する腫瘍群でセツキシマブを投与された場合は、原型KRAS遺伝子を有する腫瘍群でセツキシマブ治療を受けた場合、あるいは変異したKRAS遺伝子を有する腫瘍群でCBレジメンの治療を受けた場合と比較して、無増悪生存期間は有意に短かった。

(朝田哲明:医療ライター)

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