創傷感染予防としての抗生剤塗布は局所でなければ意味がない

提供元:ケアネット

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公開日:2009/02/06

 



簡単な皮膚科手術後の創傷感染予防として行う抗生剤クロラムフェニコール軟膏(商品名:クロロマイセチン軟膏)単回塗布の有効性を証明することを目的に、ジェームズ・クック大学(オーストラリア・クイーンズランド)Mackay Base病院のClare F Heal氏らによって行われた、前向き無作為化プラセボ対照二重盲検試験の結果が、BMJ誌2009年1月24日号(オンライン版2009年1月15日号)に掲載されている。イギリス、オーストラリアでは塗布は一般的だが、アメリカではほとんど行われていないことを踏まえての試験。

プライマリ・ケアで小外科手術を受けた972例対象




試験対象となったのは、クイーンズランドの3つのプライマリ・ケアセンターで小外科手術を受けた972例。リスクの高い縫合部位に、介入群(488例、平均年齢59.5歳)には手術後クロラムフェニコール軟膏が単回塗布され、対照群(484例、59.0歳)にはパラフィン軟膏が単回塗布された。

両群の基線での大きな違いは、非黒色腫皮膚がんあるいは日光性角化症患者の割合で、介入群は71.7%、対照群は65.1%だった。

感染発生の低下は証明できたが…




主要評価項目とした感染症発生率は、介入群6.6%(95%信頼区間:4.9~8.8)、対照群11.0%(7.9~15.1)で、介入群のほうが有意に低かった(P=0.010)。介入群に対し対照群の創傷感染リスクは1.7倍(95%信頼区間:1.1~2.5)だった。

感染症リスクの絶対減少率は4.4%、相対的減少率は40%だったが、著者は「予想より低かった(臨床的妥当値として絶対減少率5%を予想していた)」と述べている。また、介入群の治療必要数は22.8(488/21.4)だったが、「過去の同コホートの試験結果を見ると、対照群の感染発生が11.0%というのは高すぎる。局所塗布という条件設定でなければ、介入群の治療必要患者数はもっと増えるかもしれない」とも考察しており、本試験の結果について「感染発生の低下を証明することはできたが、臨床的意味がある試験結果ではない」と結論している。