米オレゴン州肝移植、MELDスコア導入後に人種間格差なくなる

提供元:ケアネット

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公開日:2008/12/09

 



米国オレゴン州で、肝移植のレシピエント決定に際し、Model For End-Stage Liver Disease (MELD)スコアを導入して以後、黒人と白人の明らかな人種間格差がなくなったことが、米Duke大学のCynthia A. Moylan氏らの調べで明らかにされた。JAMA誌2008年11月26日号で掲載されている。同州では2002年2月から、肝移植の緊急性を示す指標としてMELDスコアを導入している。

死亡や悪化により移植不可能になるリスク、黒人と白人で格差なし




同研究グループは、MELDスコア導入前の1996~2000年と、導入後の2002~2006年の、オレゴン州の肝移植ネットワークの待機者リストの中で、18歳以上の黒人と白人について、後ろ向き調査を行った。導入前のコホートは2万1,895人、導入後は同2万3,793人だった。

導入前は、死亡または症状が悪化し移植不可能になるリスクが、黒人は白人のおよそ1.51倍だった(95%信頼区間:1.15~1.98、p=0.003)。一方導入後には、黒人の同リスクは26.5%に対し、白人は22.0%と、両者に有意差はなくなった(オッズ比:0.96、95%信頼区間:0.74~1.26、p=0.76)。

また、待機者リスト申請後3年以内に肝移植を行う割合について見たところ、導入前は黒人が61.6%に対し、白人が66.9%と、黒人のほうが有意に少なかった(オッズ比:0.75、95%信頼区間:0.59~0.97、p=0.03)。ところが導入後には、黒人の同割合は47.5%に対し、白人は45.5%と、両者の格差はなくなった(オッズ比:1.04、95%信頼区間:0.84~1.28、p=0.75)。

依然として残る男女間格差




一方、女性のほうが男性よりも移植を受けにくい傾向は、導入前から導入後にも続いていた。

死亡または症状が悪化し移植不可能になるリスクは、導入前は男性が21.9%に対し女性が22.4%(オッズ比:1.08、95%信頼区間:0.91~1.26、p=0.37)だったが、導入後は男性21.4%に対し女性23.7%(オッズ比:1.30、95%信頼区間:1.08~1.47、p=0.003)と、より格差が広がっていた。

待機者リスト申請後3年以内に肝移植を行う割合について見てみると、導入前は男性が67.6%に対し女性が64.8%(オッズ比:0.80、95%信頼区間:0.70~0.92、p=0.002)であり、導入後も男性が48.7%に対し女性が39.9%(オッズ比:0.70、95%信頼区間:0.62~0.79、p<0.001)だったと報告されている。

(當麻あづさ:医療ジャーナリスト)