多発性硬化症へのalemtuzumabの有効性

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多発性硬化症へのalemtuzumabの有効性のイメージ



リンパ球と単球上のCD52を標的とするヒト型モノクローナル抗体alemtuzumabは、B細胞性慢性リンパ性白血病の治療薬として海外で承認されている。同薬剤の早期多発性硬化症に対する治療効果について、インターフェロンβ-1aとの比較で検討していたイギリス・ケンブリッジ大学医学部のAlasdair J. Coles氏らは、「alemtuzumabは症状進行や再発を抑える上で有効だったが、深刻な自己免疫疾患との関連もみられた」と報告した。NEJM誌2008年10月23日号より。

欧米で治療歴のない早期患者334例を追跡調査




試験は、ヨーロッパと米国の計49の医療センターで、治療歴のない早期再発寛解型の多発性硬化症患者を対象とし行われた第2相無作為盲検試験。総合障害度評価尺度(EDSS、スコアは10点制で高いほど重症)が3点以下、罹患期間3年以下の患者334例が2002年12月~2004年7月の間に登録され、インターフェロンβ-1aの週3回皮下投与(44μg/回)群、もしくはalemtuzumabの1年1回静脈投与(12mg/日か24mg/日)群に割り付けられ、36ヵ月にわたる投与を受けた。

なお最後の患者が治験をスタートしたのは2004年9月だったが、2005年9月にalemtuzumab治療群で免疫性血小板減少性紫斑病が3例発症、うち1例が死亡したため試験は中断されている。インターフェロンβ-1aによる治療は継続された。

障害蓄積や再発率は低下するが自己免疫疾患も




alemtuzumab群はインターフェロンβ-1a群と比較して、障害の持続的蓄積の割合(9.0%対26.2%、ハザード比:0.29、95%信頼区間:0.16~0.54、P<0.001)と、年間再発率(0.10対0.36、ハザード比:0.26、0.16~0.41、P<0.001)が有意に低下した。EDSSの平均点は、alemtuzumab群では0.39点改善したが、インターフェロンβ-1a群は0.38点悪化(P<0.001)。T2強調MRI画像上の病変量は、alemtuzumab群ではインターフェロンβ-1a群より減少した(P = 0.005)。T1強調MRI画像上の脳容積は、試験開始後12ヵ月から36ヵ月にかけて、alemtuzumab群は増加したが、インターフェロンβ-1a群は減少した(P = 0.02)。

この試験に、まれな有害事象の検出力はなかったが、有害事象の発生率は、alemtuzumab群のほうがインターフェロンβ-1a群より高く、自己免疫疾患(甲状腺障害が23%対3%、免疫性血小板減少性紫斑病が3%対1%)と感染症(66%対47%)が見られた。alemtuzumabの12mg投与と24mg投与の転帰に有意差はなかった。

Coles氏は「alemtuzumabによる早期再発寛解型の多発性硬化症患者の治療は、インターフェロンβ-1aより有効だったが、自己免疫疾患との関連がみられ、最も深刻な例では免疫性血小板減少性紫斑病がみられた」と結論している。

(武藤まき:医療ライター)

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