暖房器具の選び方次第で小児喘息症状は緩和する

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ケアネット

暖房器具の選び方次第で小児喘息症状は緩和するのイメージ

呼吸器症状を悪化させる排ガス物質の二酸化窒素について、屋外での車の排ガスなどに注目が集まるが、屋内における暖房器具(ガスヒーター)やガスコンロなどからのほうがそれらを1,000倍も吸引する可能性があり、住環境改善は小児喘息の改善に必須であると提言し、以前に住環境改善(断熱効果を高める)介入と呼吸器症状改善との関連について報告していたOtago大学(ニュージーランド)He Kainga Oranga/住宅健康リサーチプログラムのPhilippa Howden-Chapman氏らが今回、屋内にガスを排出しない無公害タイプの暖房器具と小児喘息との関連について無作為化試験の結果を報告した。BMJ誌2008年9月23日号にて掲載。小児の約25%が喘息症状を有し、それが小児の入院要因の第2位となっているニュージーランドでの検討で、同国では3分の1の家庭が暖房器具は室内に直接排気するタイプのガスヒーターだという。

小児喘息6~12歳児409例を無作為割付し追跡調査




無公害タイプの暖房器具(ヒートポンプ、ウッドペレットを燃やすタイプの暖炉、屋外排気タイプのガスヒーター)が小児喘息をもつ子どもの健康に有効かどうかを検討した無作為化試験は、ニュージーランドの5地域に居住する世帯を対象に行われた。参加者は医師に小児喘息と診断された6~12歳児409例。介入群に割り付けられた家庭は2005年晩秋に無公害タイプの暖房器具を設置。対照群に割り付けられた家庭は介入試験終了後の2007年にそれら交換設置が行われた。

主要評価項目は、肺機能(ピークフローとFEV1)の変化。副次評価項目は、既報の呼吸器症状、予防薬および気管支拡張薬の日々の服用。

基線は2005年の晩冬、追跡調査は2006年冬期に行われ、対象児の健康状態、医療サービスの利用、呼吸器症状、住環境の状況などが両親によって報告された。居間と子ども部屋で、二酸化窒素レベルは月1回4ヵ月間測定、室温は常時記録された。

肺機能の有意な改善は認められなかったが…




肺機能の改善は有意ではなかった(FEV1差:130.7 mL、95%信頼区間:20.3~281.7)。

しかし介入群の小児は対照群の小児と比較して、学校の欠席(1.80、95%信頼区間:0.11~3.13)、喘息医受診(0.40、0.11~0.62)、薬局利用(0.25、0.09~0.32)が減っていた。また、不健康との報告の減少(補正オッズ比:0.48、95%信頼区間:0.31~0.74)、喘鳴による睡眠障害の減少(0.55、0.35~0.85)、夜間の空咳の減少(0.77、0.73~0.81)が報告された。

介入は、居間の温度1.10℃(95%信頼区間:0.54℃~1.64℃)上昇、子ども部屋0.57℃(0.05℃~1.08℃)上昇と関連していた。二酸化窒素レベルは、対照群家庭[相乗平均15.7μg/m(3)]よりも介入群家庭[8.5μg/m(3)]のほうがより低かった(P<0.001)。子ども部屋でも同様の結果だった[10.9μg/m(3) vs. 7.3μg/m(3)、P<0.001]。

Chapman氏は「無公害タイプの暖房器具を喘息小児宅に設置することは、肺機能を有意に改善はしないが、登校、医療サービス利用を改善し、喘息症状を有意に減らす」と結論している。

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