3人に1人が尿失禁など骨盤底障害:米国女性

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骨盤底障害(尿失禁、便失禁、骨盤臓器脱)は多くの女性で発症する。ユタ大学医学部産婦人科のIngrid Nygaard氏ら骨盤底障害ネットワークの研究グループは、これまで米国において報告されていなかった、集団ベースのサンプルから導き出された多発性骨盤底障害に関する推定有病率の調査を行った。その結果、3人に1人がなんらかの骨盤底障害を有していると推定されることが報告されている。JAMA誌2008年9月17日号掲載より。

尿失禁、大便失禁、骨盤臓器脱の3つを指標に解析




対象は2005~2006年の全米健康栄養調査(非政府系団体による代表的な調査)に参加した、妊娠中ではない20歳以上の女性1,961例で、データは横断解析された。

対象者はまず自宅で面接調査を受けた後、検診車で標準的な診察を受け、尿失禁(中等度から重度の漏出を表す失禁重症度スコア3以上)、便失禁(最低月1回、固形、液状、粘液状による漏出)、骨盤臓器脱(膨隆を膣内外から視診/触診)の症状が評価された。

主要評価項目は尿失禁、便失禁と骨盤臓器脱症状の加重推定有病率。

加齢、出産回数、肥満が骨盤底障害の有意な要因




骨盤底障害を1つ以上経験している女性の加重有病率は23.7%(95%信頼区間:21.2%~26.2%)で、尿失禁15.7%(13.2%~18.2%)、便失禁9.0%(7.3%~10.7%)、骨盤臓器脱2.9%(2.1%~3.7%)だった。

1つ以上の障害を有すると報告した女性の比率は、加齢に伴い有意に増加した。20~39歳では9.7%(7.8%~11.7%)だったものが、80歳以上では49.7%(40.3%~59.1%)まで上昇した(P<0.001)。また出産経験の回数も多いほど増加した。0回12.8%(9.0%~16.6%)、1回18.4%(12.9%~23.9%)、2回24.6%(19.5%~29.8%)、3回以上32.4%(27.8%~37.1%)だった(P<0.001)。

また、過体重および肥満の女性では正常体重の女性より、1つ以上の骨盤底障害が報告される割合が有意に高かった。過体重26.3%(21.7%~30.9%)、肥満30.4%(25.8%~35.0%)、正常体重15.1%(11.6%~18.7%)(P<0.001)。

人種/民族の違いによる有病率の差は検出されなかった。

これらの結果から研究グループは、骨盤底障害は女性のかなりの割合で発症すると同時に、加齢とともに増加することが明らかになったと報告している。

(朝田哲明:医療ライター)

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