放射線療法による口内炎の疼痛、有効な含嗽薬は?/JAMA

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 頭頸部放射線療法を実施している患者において、doxepin含嗽あるいはジフェンヒドラミン-リドカイン-制酸薬含嗽は、プラセボと比較し、含嗽後最初の4時間の口腔粘膜炎の疼痛を有意に軽減させたものの、その効果は臨床的に意味のある最小の差より小さかった。米国・Mayo Clinic HospitalのTerence T. Sio氏らが、doxepin含嗽またはジフェンヒドラミン-リドカイン-制酸薬含嗽の有効性を評価する第III相無作為化試験「Alliance A221304」の結果を報告した。doxepin含嗽により口腔粘膜炎関連の疼痛が軽減することが無作為化試験で示されているが、一般的に広く用いられているジフェンヒドラミン-リドカイン-制酸薬含嗽については、無作為化プラセボ対照比較試験やCochraneレビューで使用を支持するエビデンスは示されていなかった。JAMA誌2019年4月16日号掲載の報告。

2つの含嗽とプラセボで、口腔粘膜炎の疼痛スコアを比較
 研究グループは、2014年11月1日~2016年5月16日の期間で、米国の30施設において、根治的頭頸部放射線療法を実施し口腔粘膜炎の疼痛スコア(範囲0~10)が4点以上の患者275例を、doxepin含嗽群92例、ジフェンヒドラミン-リドカイン-制酸薬含嗽群91例、プラセボ群92例に無作為に割り付け、最大28日間追跡した。

 主要評価項目は、doxepin含嗽またはジフェンヒドラミン-リドカイン-制酸薬含嗽を単回投与後4時間における、プラセボ含嗽と比較した全口腔粘膜炎の疼痛の軽減とし(曲線化面積によって確認、ベースライン時の疼痛スコアで補正)、臨床的に意味のある最小差は変化量3.5点とした。

 副次評価項目は、眠気、不快な味、刺すような痛み(刺痛)および灼熱痛。すべての評価尺度は0点(最小)~10点(最大)とした。

含嗽後4時間以内の疼痛スコアは低下するも臨床的に意味のある最小差に達せず
 無作為化された275例(年齢中央値61歳、女性58例[21%])のうち、227例(83%)が試験を完遂した。

 投与後最初の4時間以内の口腔粘膜炎の疼痛スコアは、doxepin含嗽群で11.6点、ジフェンヒドラミン-リドカイン-制酸薬含嗽群で11.7点、プラセボ含嗽群で8.7点の低下が確認された。群間差は、doxepin含嗽群vs.プラセボ含嗽群で2.9点(95%信頼区間[CI]:0.2~6.0、p=0.02)、ジフェンヒドラミン-リドカイン-制酸薬含嗽群vs.プラセボ含嗽群で3.0点(95%CI:0.1~5.9、p=0.004)であった。プラセボ含嗽群と比較して、doxepin含嗽群のほうが眠気(1.5点、95%CI:0~4.0、p=0.03)、不快な味(1.5点、95%CI:0~3.0、p=0.002)、刺すような痛みと灼熱痛(4.0点、95%CI:2.5~5.0、p<0.001)が多く報告された。

 Grade3(最大)の有害事象は、doxepin含嗽群で3例(4%)、ジフェンヒドラミン-リドカイン-制酸薬含嗽群で3例(4%)、プラセボ含嗽群で2例(2%)報告された。倦怠感は、doxepin含嗽群で5例(6%)確認されたが、ジフェンヒドラミン-リドカイン-制酸薬含嗽群では確認されなかった。

 著者は研究の限界として、化学療法の種類や放射線療法の範囲など他の要因が関与している可能性などを挙げ、「両含嗽法の長期的な有効性と安全性についてさらに評価する必要がある」とまとめている。

(医学ライター 吉尾 幸恵)

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