PCV10ワクチン導入、ケニアでIPDが激減/Lancet

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ケアネット

PCV10ワクチン導入、ケニアでIPDが激減/Lancetのイメージ

 ケニアにおいて、キャッチアップキャンペーン(追加的なワクチン接種活動)を伴う10価肺炎球菌結合型ワクチン(PCV10)接種の導入により、小児/成人におけるPCV10型の侵襲性肺炎球菌感染症(IPD)が有意な血清型置換を伴わず大幅に減少したという。米国・ジョンズホプキンス大学公衆衛生学大学院のLaura L. Hammitt氏らが、ケニア海岸農村部キリフィ県の「健康と人口動態追跡調査システム(Health and Demographic Surveillance System:HDSS)」に登録されている住民を対象とした、ケニア中央医学研究所とイギリス・ウェルカムトラスト財団の共同研究プログラム(KEMRI-Wellcome Trust Research Programme)によるサーベイランス研究の結果で、著者は「幼児のPCV10型定期予防接種プログラムが熱帯アフリカの低所得地域において直接的および間接的に大きな予防効果を上げる可能性が示唆された」と述べている。Lancet誌オンライン版2019年4月15日号掲載の報告。

PCV10による予防接種の有効性をサーベイランスで評価
 ケニアでは、2011年1月に生後6週、10週および14週に接種するPCV10が導入された(キリフィ県では5歳未満の小児を対象としたキャッチアップを伴っている)。

 研究グループは、キリフィ県の小児および成人における鼻咽頭保菌とIPDに対するPCV10の有効性を評価する目的で、1999~2016年にHDSSが運用されたキリフィ県立病院に入院した患者(全年齢)におけるIPDの臨床的および細菌学的調査を解析した。ワクチン導入前(1999年1月1日~2010年12月31日)とワクチン導入後(2012年1月1日~2016年12月31日)で、交絡因子を調整したIPDの罹患率比(IRR)を算出し、1-IRRの計算式でIPDの減少率を報告した。鼻咽頭保菌については、2009~16年に年次調査を行った。

 月齢2~11ヵ月の小児で2回以上PCV10の接種を受けた割合は、2011年で80%、2016年で84%、月齢12~59ヵ月の小児で1回以上PCV10接種を受けた割合はそれぞれ66%および87%であった。

ワクチンに含まれる血清型のIPDは92%減少、あらゆる血清型のIPDは68%減少
 HDSSの観察期間中、321万1,403人年でIPDは667例が確認された。5歳未満の小児の年間IPD発生率は、2011年のワクチン導入後に急激に低下し、低い状態が継続した(PCV10型IPD:ワクチン導入前60.8例/10万人vs.ワクチン導入後3.2例/10万人、補正後IRR:0.08[95%信頼区間[CI]:0.03~0.22]、あらゆる血清型のIPD:81.6例/10万人vs.15.3例/10万人、補正後IRR:0.32[95%CI:0.17~0.60])。

 ワクチン未接種の年齢集団においても、ワクチン導入後の時期でPCV10型IPDの発生率が同様に低下した(月齢2ヵ月未満:ワクチン導入後の症例は0、5~14歳:補正後IRR:0.26[95%CI:0.11~059]、15歳以上:補正後IRR:0.19[95%CI:0.07~0.51])。非PCV10型IPDの発生率は、ワクチン導入前後で違いは確認されなかった。

 5歳未満の小児において、PCV10型の保菌率はワクチン導入前後で低下し(年齢標準化補正後有病率:0.26、95%CI:0.16~0.35)、非PCV10型の保菌率は増加した(1.71、1.47~1.99)。

(医学ライター 吉尾 幸恵)

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