新たなNASH治療薬、肝脂質比を有意に減少/Lancet

提供元:ケアネット

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公開日:2018/12/27

 

 非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)患者に対する、開発中のpegbelfermin(BMS-986036)の16週間皮下投与は、概して忍容性は良好で、肝脂質比を有意に減少したことが、米国・バージニア・コモンウェルス大学のArun Sanyal氏らによる第IIa相試験の結果、示された。pegbelferminは、線維芽細胞増殖因子21(FGF21)のPEG化アナログで、これまでに2型糖尿病を有する肥満症患者において、代謝および肝線維化マーカーを改善したことが示されていた。Lancet誌オンライン版2018年12月13日号掲載の報告。

pegbelfermin 10mgを毎日、または同20mgを毎週投与
 研究グループは、第IIa相試験においてNASH患者におけるpegbelferminの安全性と有効性を評価するため、多施設共同無作為化二重盲検プラセボ対照平行群比較試験を行った。

 米国17ヵ所の医療センターで、BMI値25以上、生検でNASH(線維化ステージ1~3)が確認され、MRI-PDFF(MRIによるプロトン密度脂肪画分測定法)で肝脂質比10%以上だった成人(21~75歳)を集めた。

 適格患者を2型糖尿病の有無により層別化したうえで1対1対1の割合で無作為に3群に分け、(1)プラセボを1日1回、(2)pegbelfermin 10mgを1日1回、(3)pegbelfermin 20mgを週1回、16週にわたってそれぞれ皮下投与した。被験者、治療を行う試験チーム、アウトカムを分析する研究者(試験チームとは独立しており、分析以外は関与しない)は治療群に対してマスキングされた。

 主要評価項目は、治療16週間後の安全性と肝脂質比の絶対変化だった。主要解析には、無作為化を受け試験薬またはプラセボの投与を受けた全患者を包含した。

肝脂質比減少率、pegbelfermin 10mg群-6.8%、同20mg群-5.2%
 2015年5月12日~2016年8月4日にNASHを有する過体重または肥満患者184例がスクリーニングを受けた。このうち、95例(52%)は試験基準を満たすことができず除外され、80例(43%)が、プラセボ導入フェーズに登録された。

 さらなる除外を行い、無作為化を受け試験薬を1回以上投与された75例を主要解析に包含した。pegbelfermin 10mg群は25例、20mg群は24例、プラセボ群は26例だった。

 事前に規定した8週時の中間解析で、主要解析について予想以上の変化量が認められ、計画したサンプルサイズを必要としないことが示されたため、被験者登録を早期に終了した。

 プラセボ群と比較して両pegbelfermin群において、絶対肝脂質比の有意な減少が認められた。プラセボ群-1.3%に対し、pegbelfermin 10mg群は-6.8%(p=0.0004)、同20mg群は-5.2%(p=0.008)だった。

 大半の有害事象は軽度だった。最も頻度が高かったイベントは下痢で、pegbelfermin治療を受けた49例中8例(16%)、プラセボ群は26例中2例(8%)、次いで悪心がそれぞれ7/49例(14%)、2/26例(8%)だった。死亡例はなく、有害事象による試験中断、あるいは治療関連の重篤有害事象もなかった。

 今回の結果を受けて著者は、「NASH患者に対するpegbelfermin治療について、さらなる試験を行う根拠が示された」と述べ、「pegbelferminの肝組織への効果を評価するため肝生検を用いた付加的試験が必要だろう。さらに、より多くの被験者を対象とした、pegbelferminの安全性と有効性を評価する試験も考慮すべきである」とまとめている。

(医療ジャーナリスト 當麻 あづさ)