限局性前立腺がん、前立腺全摘で生存期間延長/NEJM

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 余命が長い臨床的に発見された限局性前立腺がん患者は、根治的前立腺全摘除術により平均2.9年の生存期間延長を期待できることが示された。グリーソンスコア高値および切除標本で被膜外浸潤が確認された患者は、前立腺がんによる死亡リスクが高かった。スウェーデン・Orebro University HospitalのAnna Bill-Axelson氏らが、スカンジナビア前立腺がんグループ研究4(SPCG-4)の29年間の追跡結果を報告した。根治的前立腺全摘除術により臨床的な限局性前立腺がん患者の死亡率は低下するが、長期にわたり追跡した無作為化試験のエビデンスはほとんどなかった。NEJM誌オンライン版2018年12月13日号掲載の報告。

根治的前立腺全摘除術と待機療法の無作為化試験で、29年間追跡
 SPCG-4は、前立腺特異抗原(PSA)検査の臨床導入以前である1989年10月~1999年2月に、スウェーデン、フィンランド、アイスランドの14施設において限局性前立腺がんと診断された695例を登録し、根治的前立腺全摘除術(RP)群と待機療法(watchful waiting:WW)群に割り付けて転帰を比較した無作為化臨床試験である。

 研究グループは、2017年までの追跡データを収集し、intention-to-treat集団およびper-protocol集団について全死因死亡、前立腺がんによる死亡および転移の累積発生率と相対リスク、ならびに余命延長を推定するとともに、Cox比例ハザードモデルを用い組織病理学的指標による予後予測について評価した。

根治的前立腺全摘除術群で余命が2.9年長い
 2017年12月31日までに、RP群(347例)で261例、WW群(348例)で292例が死亡した。このうち前立腺がんによる死亡は、RP群71例、WW群110例であった(相対リスク:0.55[95%信頼区間[CI]:0.41~0.74、p<0.001]、リスクの絶対差:11.7ポイント[95%CI:5.2~18.2])。全死因死亡を1例防ぐのに必要な治療例数は8.4例であった。

 追跡期間23年時点で、RP群では平均2.9年余命が延長した。RP群において、前立腺がんによる死亡リスクは、被膜外浸潤なしに比べ浸潤ありで5.21倍、グリーソンスコア(GS:範囲2~10、スコアが高いほどがんの悪性度が高いことを示す)でみた場合は、GS 3~6に比べGS 4+3で5.73倍、GS 8または9で10.63倍高かった。

(医学ライター 吉尾 幸恵)

原著論文はこちら

Bill-Axelson A, et al. N Engl J Med. 2018 Dec 13. [Epub ahead of print]

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