動脈硬化患者へ画像所見提示、進行予防に効果/Lancet

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ケアネット

動脈硬化患者へ画像所見提示、進行予防に効果/Lancetのイメージ

 無症候性アテローム硬化症について、頸動脈内膜中膜肥厚の超音波検査結果を用いて可視化し患者に見せることで、1年後のフラミンガム・リスクスコアが低下するなど、心血管疾患予防に効果があることが明らかにされた。スウェーデン・ウメオ大学のUlf Naslund氏らが約3,500例を対象に行った、非盲検無作為化比較試験の結果で、Lancet誌オンライン版2018年12月3日号で発表された。運動や禁煙といった生活習慣の変更や、高血圧・高コレステロール血症の治療など、心血管疾患の1次予防は、患者や医師のアドヒアランスが低いことが課題となっている。

頸動脈超音波検査結果を視覚的に提示
 研究グループが行った、「心血管疾患予防最適化のための無症候性アテローム性疾患可視化(VIPVIZA)」試験は、スウェーデン北部で行われている住民ベースの心血管予防プログラム「Vasterbotten介入プログラム」と融合した試験として実施された。

 2013年4月29日~2016年6月7日にかけて、40歳、50歳、60歳で、1つ以上の既知の心血管疾患リスクが認められた3,532例に対し、診察、血液検査、頸動脈内膜中膜肥厚とプラーク形成の超音波による評価を行った。

 被験者を無作為に2群に分け、一方の群には頸動脈超音波検査結果を視覚的に提示し、看護師が電話をしてその理解を確認した(介入群)。もう一方の群には提示の介入をしなかった(対照群)。

 主要評価項目は、1年後のフラミンガム・リスクスコア(FRS)と、欧州のSCORE(systematic coronary risk evaluation)だった。

1年後のリスク評価で、提示群と非提示群に有意差
 被験者のうち、介入群は1,749例、対照群は1,783例で、1年後に追跡評価ができたのは3,175例だった。

 1年後のFRS平均値は、介入群12.24に対し対照群は13.31と、両群間に有意差が認められた(群間差:1.07、95%信頼区間[CI]:0.11~2.03、p=0.0017)。SCORE平均値も、介入群1.42に対し対照群は1.58と、有意差が認められた(群間差:0.16、同:0.02~0.30、p=0.0010)。

 ベースラインから1年時点までのFRS平均値は、介入群で0.58低下(95%CI:-0.86~-0.30)したのに対し、対照群では0.35増加(0.08~0.63)した。SCORE平均値は両群ともに増加したが、介入群で0.13増加(0.09~0.18)、対照群では0.27増加(0.23~0.30)だった。

 結果を踏まえて著者は、「薬物療法や生活習慣に対してアドヒアランスが低いという大きな問題を解消する方法の、さらなる開発を支持するものである」と述べている。

(医療ジャーナリスト 當麻 あづさ)

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自分の動脈硬化病変を見せられると生活習慣病が改善する(解説:佐田政隆氏)-994

コメンテーター : 佐田 政隆( さた まさたか ) 氏

徳島大学大学院 医歯薬学研究部 循環器内科学 教授

J-CLEAR評議員

原著論文はこちら

Naslund U, et al. Lancet. 2018 Dec 3. [Epub ahead of print]

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