再発寛解型多発性硬化症に対するlaquinimod治療は、増量しても有効かつ耐用可能

提供元:ケアネット

印刷ボタン

公開日:2008/07/03

 

再発寛解型多発性硬化症(RRMS)の新たな治療薬であるlaquinimodは、0.6mg/日に増量しても十分に耐用可能で、MRI上の疾患活動性を有意に低減させることが、イタリアVita-Salute大学San Raffaele科学研究所のGiancarlo Comi氏らが実施した第IIb相試験で明らかとなった。すでに、laquinimod 0.3mg/日の安全性および有効性は確かめられていた。Lancet誌2008年6月21日号掲載の報告。

2つの用量を比較する国際的なプラセボ対照無作為化第IIb相試験




本研究は、9ヵ国51施設が参加した二重盲検プラセボ対照無作為化第IIb相試験。1年以内に1回以上のRRMSの再燃がみられ、MRIによるスクリーニングで1ヵ所以上のガドリニウム増強病変を認めた症例を登録することとした。720例がスクリーニングを受け、306例が適格例として登録された。年齢は18~50歳であった。

プラセボ群に102例、laquinimod 0.3mg/日群に98例、laquinimod 0.6mg/日群に106例が割り付けられた。脳MRIおよび臨床評価は、ベースラインの4週前およびベースライン時に行い、その後は12週目から36週目まで毎月1回実施した。主要評価項目は、24、28、32、36週目のガドリニウム増強病変の累積数とした。

0.6mg投与群で有意な改善効果




0.6mg投与群では、最後の4回のMRI検査におけるガドリニウム増強病変の補正平均累積数のベースラインからの低下率が、プラセボ群の40.4%に減少し、有意な改善効果が認められた[単純平均4.2回(SD 9.2) vs. 2.6回(SD 5.3)、p=0.0048]。0.3mg投与群では有意な改善効果は認めなかった(p=0.6740)。

両用量群とも、数例で肝酵素の用量依存性の上昇が一過性に見られたが、耐用性は良好であった。基質的に血液凝固亢進が見られる0.6mg群の1例で、投与1ヵ月後にBudd-Chiari症候群(肝静脈の血栓性の閉塞)が認められた。抗血栓療法によって肝酵素が減少し、臨床的に肝の代償不全の徴候のない状態に正常化した。

Comi氏は、「RRMSに対するlaquinimod治療では、投与量を0.6mg/日に増量しても良好な耐用性を示し、MRI上の疾患活動性を有意に低減させた」と結論している。

(菅野守:医学ライター)