妊娠糖尿病の母親は糖代謝疾患リスク増、子への影響は?/JAMA

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 国際糖尿病・妊娠学会(IADPSG)の診断基準に基づき妊娠糖尿病(GDM)と診断された母親は、非GDMの母親と比較し妊娠後の長期的な糖代謝疾患のリスクが有意に高い。一方、GDMの母親から生まれた子供と、非GDMの母親から生まれた子供で、小児期の過体重/肥満症に統計学的な有意差はなかった。米国・ノースウェスタン大学フェインバーグ医学院のWilliam L. Lowe Jr氏らが、大規模コホート研究の解析結果を報告した。現在のIADPSG基準が用いられるようになってから、従来のCarpenter-Coustan基準の約2倍もの女性がGDMと診断されているが、IADPSG基準を満たすGDMの母親とその子供に関する長期的なアウトカムについては不明であった。JAMA誌2018年9月11日号掲載の報告。

HAPO研究とHAPO Follow-up研究に参加した母親と子供各約5千人について評価
 研究グループは、妊娠期間中の血糖値と周産期転帰の関連性を検討したHyperglycemia and Adverse Pregnancy Outcome(HAPO)研究と、その後の長期転帰を評価したHAPO Follow-up研究のデータを解析した。IADPSGの基準を用い、75g経口ブドウ糖負荷試験で空腹時血糖値≧92mg/dL、1時間値≧180mg/dL、2時間値≧153mg/dLのうち1つ以上を満たした場合に、GDMと事後診断した。

 主要評価項目は、母親の糖代謝疾患(2型糖尿病または前糖尿病)と、生まれた子供の過体重/肥満症、副次評価項目は、肥満症、体脂肪率、胴囲、皮下脂肪厚。

 解析コホートには、2013年2月13日~2016年12月13日の期間に研究に参加した母親4,697例(平均年齢41.7±5.7歳)と、子供4,832例(平均11.4±1.2歳、男児51.0%)が組み込まれた。追跡調査期間は平均11.4年であった。

GDMの母親は糖代謝疾患のリスクが約3倍、子供の過体重/肥満症には有意差なし
 解析対象の母親は14.3%(672/4,697例)、解析に組み込まれた子供の母親は14.1%(683/4,832例)がGDMであった。糖代謝疾患を発症したのは、GDMの母親で52.2%(346/663例)、非GDMの母親で20.1%(791/3,946例)であった(オッズ比[OR]:3.44、95%信頼区間[CI]:2.85~4.14、リスク差:25.7%、95%CI:21.7~29.7)。

 GDMの母親の子供のうち39.5%(269/681例)が過体重/肥満症、19.1%(130/681例)が小児肥満症であったのに対し、非GDMの母親の子供ではそれぞれ28.6%(1,172/4,094例)および9.9%(405/4,094例)であった。母親の妊娠中のBMIで調整すると、子供の過体重/肥満症のORは1.21(95%CI:1.00~1.46)、リスク差は3.7%(95%CI:-0.16~7.5)で、小児肥満症はそれぞれ1.58(95%CI:1.24~2.01)および5.0%(95%CI:2.0~8.0)、体脂肪率は1.35(95%CI:1.08~1.68)および4.2%(95%CI:0.9~7.4)、腹囲が1.34(95%CI:1.08~1.67)および4.1%(95%CI:0.8~7.3)、皮下脂肪厚が1.57(95%CI:1.27~1.95)および6.5%(95%CI:3.1~9.9)であった。

(医学ライター 吉尾 幸恵)

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コメンテーター : 住谷 哲( すみたに さとる ) 氏

公益財団法人日本生命済生会日本生命病院 糖尿病・内分泌センター

センター長

J-CLEAR評議員

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