配合錠、後発品への変更で可能となる節約額/JAMA

提供元:ケアネット

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公開日:2018/08/30

 

 2016年において、米国で販売される先発品の配合錠29種のメディケア支出額は、同用量の後発品と比べて9億2,500万ドル高かったことが、米国・ハーバード・メディカル・スクールのChana A. Sacks氏らにより明らかにされた。結果を踏まえて著者は、「処方者への教育を通じた後発品使用や変更を推進すること、および合理的な変更の指針が、メディケアにおける医薬品支出を抑えるために重要である」と述べている。JAMA誌2018年8月21日号掲載の報告。

2011~16年のメディケア支出額を検証
 研究グループは、後発品配合錠が先発品に置き換わることで、どのくらいメディケア支出が増えるのかを推定するため、2011~16年のメディケアパートDで使用された医薬品1,500種について後ろ向きに解析した。これらの医薬品支出は2015年に最高額に達している。

 検証したのは、経口薬で、同一または効能効果が同等の後発品が入手可能な先発品配合錠で、主要評価項目は、先発品と後発品のメディケア支出額の推定差であった。

2016年、29種の先発品と後発品の支出額差は9億2,500万ドル
 1,500種の医薬品において、先発品配合錠は29種で、次の3つに分類された。1)配合量同一の後発品が入手可能(20種)、2)配合量が異なる後発品が入手可能(3種)、3)効能効果が同等の後発品が入手可能(6種)。

 1)配合量同一の後発品が入手可能な先発品の2016年におけるメディケア支出額は3億300万ドル、後発品は6,800万ドルで、両者の推定差は2億3,500万ドルであった。2)の配合量が異なる後発品が入手可能な先発品については2億3,200万ドル、後発品1,300万ドルで、2億1,900万ドルの差があった。3)の効能効果が同等の後発品が入手可能な先発品については4億9,100万ドル、後発品は2,000万ドルで、4億7,100万ドルの差があった。

 2016年の29種の医薬品に関して、後発品は先発品よりも、9億2,500万ドル支出が少なかった。試験期間中に入手できた最も費用を要した配合錠10種についてみると、2011~16年の間に後発品が処方されていれば、約27億ドルの費用を削減できた可能性があった。

(ケアネット)

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コメンテーター : 折笠 秀樹( おりがさ ひでき ) 氏

統計数理研究所 大学統計教員育成センター 特任教授

滋賀大学 データサイエンス・AIイノベーション研究推進センター 特任教授

J-CLEAR評議員