末梢静脈カテーテル、失敗率低いドレッシング材と固定法は?/Lancet

提供元:ケアネット

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公開日:2018/08/10

 

 末梢静脈カテーテル(PIVC)留置において、現在使用されているドレッシング材および固定法では、総じてPIVC留置の失敗を招き、耐久性も乏しく、さまざまな製品を同時に使用しなければならないことが多いという。オーストラリア・グリフィス大学のClaire M. Rickard氏らは、非ボーダータイプの標準的なポリウレタンドレッシング材と、他の3つの代替法の有効性と費用について比較検証したプラグマティックな無作為化優越性試験「SAVE試験」の結果を報告した。また著者は、「現状では、コストが製品を選択する主要な決定要因となっている」とも指摘し、「効果的で耐久性のあるドレッシング材による固定を成し遂げるための技術革新と、それらを評価する無作為化試験の実施が喫緊の課題である」と述べている。世界中で毎年20億個ものPIVCが使用されているが、最適なドレッシング材と固定法は十分に確立されていないという。Lancet誌オンライン版2018年7月26日号掲載の報告。

標準的なドレッシング材単独使用と3種類の方法を比較
 研究グループは、オーストラリア・クイーンズランド州にある2病院において、治療のため24時間以上のPIVC留置が必要な18歳以上の患者を適格患者とし、組織接着剤+ポリウレタンドレッシング材(接着剤併用群)、周囲テープ付き(bordered)ポリウレタンドレッシング材(ボーダータイプ群)、固定具+ポリウレタンドレッシング材(固定具併用群)、ポリウレタンドレッシング材のみ(対照群)のいずれかに、1対1対1対1の割合で無作為に割り付けPIVCを留置した。

 無作為化は、施設で層別化を行い、ウェブベースの中央ランダムブロック法にて行われた。介入の特性上、患者・医師・治験スタッフは盲検化されなかったが、感染症については割り付けに関して盲検化された医師によって判定された。

 主要評価項目は、すべてのPIVC留置の失敗(事故抜去・閉塞・静脈炎・感染症[原発性血流感染/局所感染]の複合)とし、解析は修正intention-to-treat集団で実施した。

4群間でPIVC留置失敗率と総費用に有意差なし
 2013年3月18日~2014年9月9日に、1,807例が4群に割り付けられた(接着剤併用群446例、ボーダータイプ群454例、固定具併用群453例、対照群454例)。修正intention-to-treat集団は1,697例であった。

 PIVC留置失敗率は、接着剤併用群38%(163/427例、絶対リスク差:-4.5%、95%信頼区間[CI]:-11.1~2.1%、p=0.19)、ボーダータイプ群40%(169/423例、-2.7%、95%CI:-9.3~3.9%、p=0.44)、固定具併用群41%(176/425例、-1.2%、95%CI:-7.9~5.4%、p=0.73)、対照群43%(180/422例)であった。

 皮膚の有害事象が、それぞれ17例、2例、8例および7例に認められた。本試験において介入の総費用は、各群間で有意差はみられなかった。

 なお、著者は、ほとんどのPIVC留置が熟練した看護師によって実施されたこと、同じ分類の全製品を反映したものではないこと、小児などの他の患者集団に一般化されない可能性があることなどを研究の限界として挙げている。

(医学ライター 吉尾 幸恵)

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コメンテーター : 中澤 達( なかざわ たつ ) 氏

社会福祉法人 聖母会 聖母病院 院長

J-CLEAR評議員