アロマターゼ阻害薬関連関節痛、鍼治療で軽減か?/JAMA

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ケアネット

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 アロマターゼ阻害薬関連関節痛を有する閉経後早期乳がん患者において、鍼治療は、偽治療または待機リスト入りとした対照(waitlist control)と比較して、6週時の関節痛を有意に改善した。ただし、観察された改善が臨床的に意義のあるものかは確実ではないという。米国・コロンビア大学医療センターのDawn L. Hershman氏らが、アロマターゼ阻害薬関連関節痛に対する鍼治療の有効性を検証した無作為化試験の結果を報告した。筋骨格系症状は、アロマターゼ阻害薬の有害事象で最も多く、治療中断に至ることが少なくない。これまで複数の小規模研究で、鍼治療がアロマターゼ阻害薬関連関節症状を改善する可能性があることが示唆されていたが、いずれも単一施設で実施され症例数が少なく盲検化されていなかった。JAMA誌2018年7月10日号掲載の報告。

米国の11施設で約230例を対象に鍼治療、偽治療、無治療の3群を比較
 研究グループは2012年3月~2017年2月に、米国の大学病院および臨床病院11施設で、閉経後早期乳がんと診断されアロマターゼ阻害薬を内服中で、簡易疼痛調査票(Brief Pain Inventory Worst Pain[BPI-WP]:0~10点、点数が高いほど疼痛が強い)で3点以上の疼痛を有する患者226例を登録し、鍼治療群(110例)、偽治療群(59例)および待機リスト対照群(57例)に、無作為に2対1対1の割合で割り付けた(待機リスト対照群は盲検化されていない)。

 鍼治療群および偽治療群では、最初の6週間は週2回計12回、次の6週間は週1回、鍼治療または偽治療を行った。待機リスト対照群では、無作為化後24週間は介入しなかった。24週時に全例に対し、52週目の診察までに使用できる鍼治療10回分の無料券を提供した。最終追跡期間は2017年9月5日。

 主要評価項目は6週時のBPI-WPスコアで、線形回帰を用いてベースラインでの疼痛と層別因子で補正し両群を比較した。

疼痛スコアは鍼治療群で有意に減少するも、他群と臨床的に意義のある差はなし
 226例の患者背景は、平均年齢60.7歳(SD 8.6)、白人が88%、ベースラインのBPI-WPスコアは6.6点(SD 1.5)で、206例(91.1%)が試験を完遂した。

 6週時の平均BPI-WPスコアは、鍼治療群で2.05点、偽治療群で1.07点、待機リスト対照群で0.99点減少した。補正後群間差は、鍼治療群と偽治療群で0.92点(95%信頼区間[CI]:0.20~1.65、p=0.01)、鍼治療群と待機リスト対照群で0.96点(95%CI:0.24~1.67、p=0.01)であり、いずれも鍼治療群の有意な減少が認められた。ただし、いずれも規定された臨床的に意義のある差(偽治療群および待機リスト対照群との群間差2点[SD 3.0])には達しなかった。また、事後解析の結果、臨床的に意義のある疼痛の改善(BPI-WPスコア2点以上減少)について6週時に同スコアを達成していた患者の割合は、鍼治療群58%、偽治療群33%、待機リスト対照群31%であった。

 安全性については、鍼治療群で偽治療群と比較し、Grade1の内出血が多かった(47% vs.25%、p=0.01)。

※記事の文言を一部修正いたしました。(2018年7月23日)

(医学ライター 吉尾 幸恵)

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