2017ACC/AHA高血圧GL導入で、米中の患者が激増/BMJ

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ケアネット

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 2017米国心臓病学会(ACC)/米国心臓協会(AHA)高血圧ガイドラインが、米国と中国で採択された場合の影響を調べた結果、両国ともに高血圧症とされる人の数および治療対象者の数は激増し、米中45~75歳の半数超が高血圧症患者と呼ばれることになるとの見込みが、米国・テキサス大学サウスウェスタン医療センターのRohan Khera氏らにより示された。高血圧症患者は米国で26.8%増、中国では45.1%増、新規の治療推奨対象者は米国750万人、中国5,530万人、また、新規の治療強化対象者は米国1,390万人、中国3,000万人と試算されるという。2017ACC/AHA高血圧ガイドラインでは、高血圧症定義の血圧値が、現行の140/90mmHgから130/80mmHgに改訂された。BMJ誌2018年7月11日号掲載の報告。

改訂ガイドライン導入後の有病率、治療の推奨者・強化対象者を試算
 研究グループは米中での2017ACC/AHA高血圧ガイドラインの導入による、高血圧症の有病率と、治療開始および治療強化の適格性への影響を調べるため、両国の代表集団を対象とする断面調査で観察的評価を行った。
 調査対象集団は、米国国民健康栄養調査(National Health and Nutrition Examination Survey:NHANES)の直近2回(2013~14年、2015~16年)分と、China Health and Retirement Longitudinal Study(CHARLS)の2011~12年の参加者で、45~75歳で高血圧症と診断された者および治療予備軍(降圧治療開始および強化)について、2017ガイドラインに基づく場合と現行ガイドラインに基づく場合を比較した。

米国45~75歳人口の63%、中国は55%が「高血圧症」ということに
 2017ガイドラインを採択した場合、米国45~75歳人口の63%(95%信頼区間[CI]:60.6~65.4)を占める7,010万人(95%CI:6,490万~7,530万)が、また中国では同55%(95%CI:53.4~56.7)を占める2億6,690万人(95%CI:2億5,290万~2億8,080万)が高血圧症ということになることが示された。有病率の増加は、米国では26.8%(95%CI:23.2~30.9)、中国では45.1%(95%CI:41.3~48.9)と試算された。

 また米国において高血圧で未治療者は、治療パターンと現行ガイドラインに基づく試算では810万人(95%CI:650万~970万)だが、2017ガイドライン採択後は1,560万人(95%CI:1,360万~1,770万)に増加すると予想された。同様の試算について中国では、現行7,450万(95%CI:6,410万~8,480万)が1億2,980万人(95%CI:1億1,870万~1億4,090万)に増加すると試算された。

 さらに、高血圧だが降圧治療は不要(生活習慣の修正のみ推奨)とされる人は、米国では現行下150万人(95%CI:120万~210万)が870万人(95%CI:600万~1,150万)に、中国では同2,340万人(95%CI:1,210万~3,510万)が5,100万人(95%CI:4,030万~6,160万)に増加する。

 治療を受けている人についても、2017ガイドライン導入後の治療強化の対象者は、米国では1,390万人(95%CI:1,220万~1,560万)増加(治療者に占める割合でみると24.0%から54.4%に増大)、中国では3,000万人(95%CI:2,430万~3,570万)増加(41.4%から76.2%に増大)すると試算された。

(ケアネット)

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コメンテーター : 有馬 久富( ありま ひさとみ ) 氏

福岡大学医学部 衛生・公衆衛生学 教授

J-CLEAR会員

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