HPV検査の子宮頸部前がん病変の検出能/JAMA

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 北米では、子宮頸がんのスクリーニングにおける細胞診検査と比較した、ヒトパピローマウイルス(HPV)検査の相対的な有効性に関する情報は十分でないという。カナダ・ブリティッシュコロンビア大学のGina Suzanne Ogilvie氏らは、HPV検査陰性の女性は細胞診検査陰性の女性に比べ、48ヵ月時点で診断されたGrade3以上の子宮頸部上皮内腫瘍(CIN3+)およびGrade2以上のCIN(CIN2+)の割合が低かったことを、JAMA誌2018年7月3日号で報告した。

4年後に2群とも2つの検査法で再検査
 本研究(HPV FOCAL試験)は、初回HPV検査および液状化検体細胞診(LBC)検査における、組織学的に確定された前がん病変の累積検出率を評価する無作為化臨床試験である(カナダ保健研究機構[CIHR]の助成による)。

 対象は、年齢25~65歳、過去5年間にCIN2+の既往歴がなく、浸潤性子宮頸がんの既往歴や子宮摘出術歴がなく、過去12ヵ月間にパパニコロー検査を受けておらず、登録時に免疫抑制療法を受けていない女性であった。

 被験者は、介入群または対照群にランダムに割り付けられた。介入群はHPV検査を受け、陰性の場合は48ヵ月後に再検査を受けた。対照群はLBC検査を受け、陰性の場合は24ヵ月後にLBCの再検査を受け、24ヵ月後も陰性の場合は48ヵ月後に再検査を受けた。両群とも、48ヵ月時にHPV検査とLBC検査の双方を受けた。検査陽性の場合などは、適宜、コルポスコピー検査を行った。

 主要アウトカムは割り付け時から48ヵ月後のCIN3+の累積発生率とし、副次アウトカムはCIN2+の累積発生率であった。

 2008年1月~2012年5月の期間に、224人の医師によって参加者が登録され、2016年12月までフォローアップが行われた。

年齢にかかわらず、より正確に検出
 1万9,009例(平均年齢:45歳)が登録され、介入群に9,552例、対照群には9,457例が割り付けられた。1万6,374例(介入群:8,296例[86.9%]、対照群:8,078例[85.4%])が試験を完遂した。

 48ヵ月時の1,000人当たりのCIN3+の割合は、介入群は2.3例であり、対照群の5.5例に比べ有意に低かった(リスク比[RR]:0.42、95%信頼区間[CI]:0.25~0.69、p<0.001)。また、年齢25~29歳の女性(RR:0.40、p=0.05)および30歳以上の女性(RR:0.43、p=0.003)においても、介入群でCIN3+の割合が低かった。

 同様に、48ヵ月時の1,000人当たりのCIN2+の割合も、介入群が5.0例と、対照群の10.6例に比し有意に低かった(RR:0.47、95%CI:0.34~0.67、p<0.001)。年齢25~29歳の女性(RR:0.52、p=0.04)および30歳以上の女性(RR:0.46、p<0.001)においても、介入群でCIN2+の割合が低かった。

 ベースライン時に検査陰性の集団の解析では、介入群のHPV検査陰性の女性は、対照群のLBC検査陰性の女性に比べ、48ヵ月時のCIN3+(1.4 vs.5.4/1,000人、RR:0.25、95%CI:0.13~0.48、p<0.001)およびCIN2+(3.6 vs.10.0/1,000人、RR:0.36、95%CI:0.24~0.54、p<0.001)の割合が有意に低かった。年齢25~29歳の女性(CIN3+=RR:0.32、p=0.03、CIN2+=RR:0.48、p=0.04)および30歳以上の女性(CIN3+=RR:0.24、p<0.001、CIN2+=RR:0.34、p<0.001)でも、同様の結果であった。

 著者は、「これらの結果は、初回HPV検査は細胞診検査に比べ、前がん病変をより早期に、かつより正確に検出することを示す」と指摘し、「長期的な臨床アウトカムとともに、費用対効果を知るために、さらなる検討を要する」としている。

〔8月21日 記事の一部を修正いたしました〕

(医学ライター 菅野 守)

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