既治療の進行肝細胞がん、cabozantinibがOS、PFSを延長/NEJM

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ケアネット

既治療の進行肝細胞がん、cabozantinibがOS、PFSを延長/NEJMのイメージ

 ソラフェニブ既治療の進行肝細胞がんの患者において、cabozantinibによる治療はプラセボと比べて、全生存期間および無増悪生存期間の延長が認められたことが、米国・Memorial Sloan Kettering Cancer CenterのGhassan K. Abou-Alfa氏らによる第III相無作為化二重盲検試験の結果、示された。ただし有害事象の発現頻度は、cabozantinib群がプラセボ群の約2倍にみられた。cabozantinibは、進行肝細胞がんの標準初回治療であるソラフェニブに対する耐性発現に関与するチロシンキナーゼ(血管内皮増殖因子受容体1、2、3、MET、AXLなど)を阻害する。研究グループは、既治療の進行肝細胞がん患者を対象に、cabozantinibとプラセボを比較した。NEJM誌2018年7月5日号掲載の報告。

ソラフェニブ既治療の進行肝細胞がん患者についてプラセボ対照試験
 試験は19ヵ国95施設で行われた。試験適格条件は、ソラフェニブによる治療歴を有し、肝細胞がんに対する1つ以上の全身療法後に進行が認められる患者で、進行肝細胞がんに対する全身療法は2つまでとした。条件を満たした患者をcabozantinib(60mg/日)または適合プラセボを投与する群に無作為に2対1の割合で割り付け追跡評価した。

 主要評価項目は、全生存期間(OS)。副次評価項目は、無増悪生存期間(PFS)および客観的奏効率とした。

グレードの高い有害事象の発現頻度が約2倍
 2013年9月~2017年9月に773例が無作為化を受け、事前に計画されていた第2回の中間解析時点(2017年6月1日)では707例(cabozantinib群:470例、プラセボ群:237例)が無作為化された治療を受けていた(intention-to-treat集団)。

 同集団において、cabozantinib群のプラセボ群に対するOSの有意な延長が認められた。OS中央値は、cabozantinib群10.2ヵ月、プラセボ群8.0ヵ月であった(死亡に関するハザード比[HR]:0.76、95%信頼区間[CI]:0.63~0.92、p=0.005)。

 PFS中央値は、cabozantinib群5.2ヵ月、プラセボ群1.9ヵ月であった(病勢進行もしくは死亡に関するHR:0.44、95%CI:0.36~0.52、p<0.001)。また、客観的奏効率はそれぞれ4%、1%未満であった(p=0.009)。

 Grade3/4の有害事象の発現頻度は、cabozantinib群68%、プラセボ群36%であった。共通して最もよくみられたグレードの高い有害事象は、手掌・足底発赤知覚不全(カボザンチニブ群17% vs.プラセボ群0%)、高血圧(16% vs.2%)、AST値上昇(12% vs.7%)、疲労(10% vs.4%)、下痢(10% vs.2%)であった。

(ケアネット)

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進行肝細胞がんに対する多標的チロシンキナーゼ阻害薬療法(解説:中村郁夫氏)-903

コメンテーター : 中村 郁夫( なかむら いくお ) 氏

東京医科大学 八王子医療センター 消化器内科

J-CLEAR特任評議員

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