ABPM要否を判定する新トリアージ法の有用性を検証/BMJ

提供元:ケアネット

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公開日:2018/07/06

 

 3回の診察室血圧値と患者背景(年齢、性別、BMI、高血圧の診断歴および治療歴、心血管疾患の有無)を組み合わせた新たなトリアージ法(Predicting Out-of-OFfice Blood Pressure[PROOF-BP]アルゴリズム)により、24時間自由行動下血圧測定(ABPM)の適用は通常の半分となり、高血圧か否かをほぼ正しく分類できることが示された。英国・オックスフォード大学のJames P. Sheppard氏らが、日常診療で高血圧が疑われる患者にABPMを適用するかをトリアージするためのPROOF-BPアルゴリズムの妥当性を検証した、前向き観察コホート試験の結果を報告した。著者は、「ABPMを考慮する場合、とくに資源が限られている場合には、この新しいトリアージ法は高血圧の診断や管理に推奨される」とまとめている。BMJ誌2018年6月28日号掲載の報告。

ABPMの実施が検討された約900例でPROOF-BPアルゴリズムの妥当性を評価
 研究グループは、2015年5月~2017年1月に、英国のプライマリケア10施設および病院1施設において、ABPMの実施が検討された18歳以上の連続患者887例(平均年齢52.8[SD 16.2]歳)を登録し、全例にABPMを実施するとともに、PROOF-BPアルゴリズムを用いて分類した。

 主要評価項目は、日中ABPMの参照基準(≧135/85mmHgを高血圧)と比較した、トリアージ法で正確に分類された患者の割合。副次評価項目は、高血圧診断の感度、特異度およびROC曲線下面積(AUROC)であった。

PROOF-BPアルゴリズムでABPMの必要性は半減
 887例中、トリアージ法で高血圧か否か正しく分類されたのは801例(90%、95%信頼区間[CI]:88~92)で、高血圧診断の感度は97%(95%CI:96~98)、特異度は76%(95%CI:71~81)、AUROCは0.86(95%CI:0.84~0.89)であった。

 トリアージ法を用いると、ABPMを受けるために専門医へ紹介されるべき患者は887例中435例(49%、95%CI:46~52)で、残りは診察室で測定された血圧値に基づく管理となった。また、69例(8%、95%CI:6~10)は白衣高血圧であった。

(医学ライター 吉尾 幸恵)

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コメンテーター : 石川 讓治( いしかわ じょうじ ) 氏

東京都健康長寿医療センター 循環器内科 部長

J-CLEAR推薦コメンテーター