地中海式ダイエットは糖尿病予防効果あり

提供元:ケアネット

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公開日:2008/06/27

 

大量のバージンオリーブオイルを使い食物繊維なども豊富な地中海沿岸地方の伝統的な食習慣(地中海式ダイエット)に、心血管疾患の予防効果があることはこれまで多くの調査によって示されている。では、糖尿病に対する予防効果はどうなのか。ナバラ大学(スペイン)医学部予防医学・公衆衛生部門のM A Martinez-Gonzalez氏らは、地中海式ダイエットを嗜好する人々とそうでない人で、糖尿病発生率との相関関係を検討した。「地中海式ダイエットは糖尿病発生率を低減する」との結果を報告している。BMJ誌2008年6月14日号(オンライン版2008年5月29日号)掲載より。

1万3,380例の食習慣を4.4年間追跡




本研究は前向きコホート研究。性、年齢、大学教育年数、総エネルギー摂取量、BMI指数、身体活動度、座りっきりの習慣、喫煙、糖尿病の家族歴と高血圧の個人歴を調整した推定相対リスク値で検討された。

参加者は、スペイン大学の卒業生で糖尿病歴のない1万3,380例。中央値4.4年間追跡調査が行われた。

ベースライン時に参加者に、136種類の地中海式ダイエットメニューの摂取頻度アンケート(9ポイント制)を行い、2型糖尿病発病とスコアとの関連をみた。糖尿病発症者には、診断をした医師から送られた医療レポートと詳細な食習慣アンケート調査によって確認された。

摂取頻度が高いほど糖尿病リスク低減




結果、地中海式ダイエットの摂取頻度が高い参加者は、糖尿病リスクが低かった。

発症率比率(性・年齢で調整済)は、摂取頻度が最も低い群(スコア<3)との比較で中等度群(スコア3~6)は0.41(95%信頼区間:0.19~0.87)、最も高い群(スコア7~9)とは0.17(95%信頼区間:0.04~0.75)だった。

因子を完全に調整したうえでの分析でも結果は同様だった。

スコアの2ポイント増で糖尿病リスクは相対的に35%減少(発症率比率は0.65)した。多変量解析によって有意な逆線形傾向が確認されている(P=0.04)。

以上の結果からGonzalez氏は、「地中海式ダイエットの摂取頻度と糖尿病リスク減少とは相関している」と結論づけている。