CABGのグラフト、橈骨動脈が伏在静脈に優る/NEJM

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CABGのグラフト、橈骨動脈が伏在静脈に優る/NEJMのイメージ

 5年間のフォローアップにおいて、橈骨動脈グラフトを用いた冠動脈バイパス術(CABG)は伏在静脈グラフトを用いたCABGに比べ、主要有害心血管イベントのリスクが有意に低く、周術期のグラフト開存性が有意に良好であることが示された。米国・コーネル大学医学部循環器手術部門のMario Gaudino氏らが、6つの無作為化比較試験を対象に行ったメタ解析で明らかにした。これまで、橈骨動脈グラフト使用のCABGが伏在静脈グラフト使用のCABGに比べ、術後アウトカムが良好である可能性を示唆する試験結果はあったが、個々の試験では臨床アウトカムの差を示すには統計学的に検出力が不足していたという。NEJM誌オンライン版2018年4月30日号掲載の報告。

死亡、心筋梗塞、再血行再建術の複合イベントを比較
 研究グループは、6つの無作為化比較試験について患者レベルのメタ解析を行い、橈骨動脈または伏在静脈グラフトを用いたCABGの臨床アウトカムを比較した。

 主要評価項目は、死亡、心筋梗塞、再血行再建術の複合とした。副次的評価項目は、フォローアップ血管造影でのグラフト開存性だった。混合効果Cox回帰モデルを用いて、アウトカムへの治療の効果を推量した。

死亡は同等だが、心筋梗塞は約3割、再血行再建術は半減と有意に低下
 被験者総数は1,036例で、橈骨動脈グラフト使用群は534例、伏在静脈グラフト使用群は502例だった。追跡期間は平均60ヵ月(SD 30)だった。

 主要評価項目の複合有害イベントの発生は、橈骨動脈グラフト群が伏在静脈グラフト群に比べ、有意に低かった(ハザード比[HR]:0.67、95%信頼区間[CI]:0.49~0.90、p=0.01)。

 フォローアップ血管造影(フォローアップ平均50ヵ月[SD 30])でも、橈骨動脈グラフト群のグラフト閉塞リスクの有意な低下が認められた(HR:0.44、95%CI:0.28~0.70、p<0.001)。

 なお、橈骨動脈グラフト群のアウトカムを個別にみると、心筋梗塞(HR:0.72、95%CI:0.53~0.99、p=0.04)、再血行再建術(同:0.50、0.40~0.63、p<0.001)では有意な低下が認められたが、全死因死亡の発生については、有意な低下がみられなかった(同:0.90、0.59~1.41、p=0.68)。

(医療ジャーナリスト 當麻 あづさ)

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コメンテーター : 今中 和人( いまなか かずひと ) 氏

埼玉医科大学総合医療センター 心臓血管外科

J-CLEAR推薦コメンテーター

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