ICD10に基づくフレイル評価、予後不良を予測/Lancet

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ケアネット

ICD10に基づくフレイル評価、予後不良を予測/Lancetのイメージ

 高齢の入院患者フレイルをスクリーニングし、予後不良のリスクが高い患者群を同定できる評価スコア「Hospital Frailty Risk Score:HFRS」が、フランス・Lyon Teaching HospitalのThomas Gilbert氏らによって開発された。HFRSは、病院の管理システムに国際疾病分類第10版(ICD-10)コーディングが用いられていれば利用可能で、システムに組み込めば自動的に判定できるようになるという。著者は、「低コストかつICD-10に基づく体系的な方法であり、予後不良のフレイルに対する適切なケアの提供に有用である」とまとめている。Lancet誌2018年5月5日号掲載の報告。

75歳以上の入院患者約2万2,000例のデータを基に検証
 研究グループは、フレイルの特徴を有し予後不良のリスクが高い高齢者を日常診療データから同定する方法の確立を目的として、3段階アプローチを用い、ICD-10コードに基づくHFRSを開発し検証した。

 はじめに、英国NHS傘下の病院の全入院患者に関する情報を含むHospital Episode Statistics入院患者データベースを用い、2013年4月1日~2015年3月31日に退院した75歳以上の高齢患者を抽出し(開発コホート2万2,139例)、ICD-10コードおよび医療資源の利用(入院日数および入院医療費)に基づいてクラスター分析を行い、フレイルの特徴を有する患者群を同定した。次に、この患者群で大きな比率を占めているICD-10コードを用い、HFRSを作成した。最後に、検証コホートにおいて、HFRSが緊急入院後の予後不良をどの程度予測するか、また、他の臨床的なフレイル評価スケールとどの程度一致するかについて確認した。

HFRS高値群で、30日死亡、長期入院および30日以内再入院のリスクが高い
 開発コホートにおいて、フレイルと診断される高齢者は明らかな一群を形成しており、この群では緊急入院日数が2年間で33.6日と最も多かった。対して2番目に緊急入院日数が多かったのは急性心臓疾患患者群であったが、同日数は23.0日であった。

 全国的な検証コホート(101万3,590例)において、HFRSが15超の高リスク群20万2,718例(20.0%)では、5未満の低リスク群42万9,762例(42.4%)と比較し、30日死亡率(オッズ比[OR]:1.71、95%信頼区間[CI]:1.68~1.75)、長期入院率(OR:6.03、95%CI:5.92~6.10)および30日以内の再入院率(OR:1.48、95%CI:1.46~1.50)が高いことが認められた。これら3つのアウトカムに関するHFRSの判別力を示すC統計量は、それぞれ0.60、0.68および0.56であった。

 HFRSは、FriedおよびRockwoodの尺度と中程度に一致しており(κスコアは、それぞれ0.22[95%CI:0.15~0.30]および0.30[95%CI:0.22~0.38])、Rockwood Frailty Indexと中程度の一致が認められた(ピアソン相関係数0.41、95%CI:0.38~0.47)。

(ケアネット)

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