救急での肺塞栓症の除外、PERCルールが有用/JAMA

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救急での肺塞栓症の除外、PERCルールが有用/JAMAのイメージ

 低リスクの肺塞栓症(PE)が疑われる患者において、肺塞栓症除外基準(PERC:Pulmonary Embolism Rule-Out Criteria)を用いた場合、3ヵ月間の血栓塞栓イベント発生率は従来の方法と比較して非劣性であり、PERCルールの安全性が支持された。フランス・パリ第4大学のYonathan Freund氏らが、PERCルールを検証したPROPER試験の結果を報告した。PEを除外することを目的とした8項目からなる臨床基準PERCの安全性は、これまで無作為化試験で検証されたことはなかった。JAMA誌2018年2月13日号掲載の報告。

救急受診後3ヵ月間の血栓塞栓イベント発生を、通常ルール使用と比較
 研究グループは、2015年8月~2016年9月に、フランスの救急外来14施設において、臨床的にPEの可能性が低い患者を登録し、クロスオーバークラスター無作為化非劣性試験を実施した(2016年12月まで追跡調査)。

 各施設を、対照期(通常ケア)→PERC期、またはPERC期→対照期(各期6ヵ月、ウォッシュアウト2ヵ月)に無作為化した。PERC期では、PERCルール8項目(年齢50歳以上、心拍数100/分以上、SpO2が94%以下、片側下肢腫脹、血痰、最近の手術もしくは外傷、肺塞栓や深部静脈血栓の既往、エストロゲン製剤の使用)のすべてが陰性の場合、追加の検査を行わずPEの診断は除外された。

 主要評価項目は、初診でPEと診断されなかった後の追跡3ヵ月間における血栓塞栓イベント発生(非劣性マージン1.5%に設定)。また、CT肺血管造影(CTPA)の実施率、救急外来滞在期間の中央値、入院率を副次評価項目とした。

追跡期間に血栓塞栓イベントは増加せず、CTPA実施や入院率は減少
 無作為化された14施設において、登録された計1,916例(平均年齢44歳、女性980例[51%]:対照群954例、PERC群962例)のうち、1,749例が試験を完遂した。

 初診でPEと診断された患者は、対照群26例(2.7%)、PERC群14例(1.5%)であった(群間差:1.3%、95%信頼区間[CI]:-0.1~2.7%、p=0.052)。追跡期間中に、PERC群で1例(0.1%)(対照群は0例)がPEと診断された(群間差:0.1%[95%CI:-∞~0.8%])。CTPAを実施した患者の割合はPERC群13%、対照群では23%であった(群間差:-10%、95%CI:-13%~-6%、p<0.001)。PERC群において、救急外来滞在期間の中央値(平均短縮:36分、95%CI:4~68分)と、入院率(平均減少:3.3%、95%CI:0.1~6.6%)は有意に低かった。

(医学ライター 吉尾 幸恵)

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コメンテーター : 今井 靖( いまい やすし ) 氏

自治医科大学附属病院 臨床薬理学・循環器内科学 教授

J-CLEAR評議員

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