卵円孔開存の存在で周術期の脳梗塞リスク上昇/JAMA

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卵円孔開存の存在で周術期の脳梗塞リスク上昇/JAMAのイメージ

 非心臓手術を受ける成人患者において、術前に卵円孔開存(PFO)の診断を受けた患者は受けなかった患者と比べて、術後30日間の周術期虚血性脳卒中リスクが有意に高いことが示された。米国・マサチューセッツ総合病院(MGH)のPauline Y.Ng氏らが、18万例超を対象に行った後ろ向きコホート試験で明らかにしたもので、JAMA誌2018年2月6日号で発表した。結果を踏まえて著者は、「今回の所見について、さらなる確証試験を行うとともに、PFOへの介入によって術後脳卒中のリスクが低減するのかどうかを確認する必要がある」とまとめている。

全身麻酔で非心臓手術を受けた18万人超を対象に検討
 研究グループは、2007年1月1日~2015年12月31日に、MGHと関連のコミュニティ病院2ヵ所で、全身麻酔下で非心臓手術を受けた成人18万2,393例について、後ろ向きコホート試験を行った。
 術前のPFO診断と、術後30日間に発生した周術期虚血性脳卒中との関連を調べた。脳卒中のサブタイプはOxfordshire Community Stroke Project(OCSP)分類に基づき定義し、重症度はNIH脳卒中重症度スケール(National Institute of Health Stroke Scale:NIHSS)で定義した。

周術期脳梗塞推定リスク、PFO群5.9例/1,000人、対照群2.2例/1,000人
 解析の対象としたのは15万198例(年齢中央値55歳[SD 16])で、そのうち術前PFO診断例は1,540例(1.0%)だった。

 術後30日間に虚血性脳卒中を発症したのは全体で850例(0.6%)だった。内訳は、PFO群が49例(3.2%)、非PFO(対照)群が801例(0.5%)だった。

 補正後解析の結果、PFO群は対照群に比べ、周術期虚血性脳卒中リスクが有意に高かった(オッズ比:2.66、95%信頼区間[CI]:1.96~3.63、p<0.001)。1,000人当たりの虚血性脳卒中の推定リスクは、PFO群5.9例、対照群2.2例で、補正後絶対リスク差は0.4%(95%CI:0.2~0.6)だった。
 また、PFO群は大血管領域脳卒中のリスク上昇も認められた(相対リスク比:3.14、95%CI:2.21~4.48、p<0.001)。さらに、脳卒中を呈した患者においてPFO群のほうが、NIHSSで定義した脳卒中関連の神経学的障害がより重度であることも認められた(PFO群のNIHSSスコア中央値:4[IQR:2~10] vs.対照群の同値:3[1~6]、p=0.02)。

(医療ジャーナリスト 當麻 あづさ)

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