ペットは老化の進行を抑制する?/BMJ

提供元:ケアネット

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公開日:2018/01/15

 

 動物との交遊は、老化の修正可能な特性である可能性があるが、高齢者がペットを飼うことと老化のバイオマーカーとの関連はほとんど知られていない。英国・ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンのG. David Batty氏らは、約8,800例の高齢者を調査し、ペットの飼育は老化のバイオマーカーに影響を及ぼさないことを示した。研究の成果は、BMJ誌2017年12月13日号に掲載された。英国では高齢者の半数がペットを飼っており、オーストラリアの調査では高齢者の12%が「動物は交遊の主要形態」と答えているという。

ペットの有無で11のバイオマーカーを比較
 研究グループは高齢者を対象に、動物を飼うことと老化のバイオマーカーの関連を前向きに評価するコホート研究を行った(米国国立老化研究所と、英国経済社会研究会議が組織した政府機関の助成による)。

 英国で進行中の全国的なコホート研究であるEnglish Longitudinal Study of Ageing(ELSA試験)へ2010~11年に登録された8,785例(平均年齢67歳[SD 9]、女性55%)を、約2年間フォローアップした(平均年齢69歳[SD 8])。

 ペット(イヌ、ネコ、その他)の有無別に、老化との関連が確立されている11項目のバイオマーカー(身体機能、免疫学的機能、心理学的機能)との関連を評価した。

すべてのバイオマーカーが、ペットの飼育と強い関連なし
 ベースライン時に対象者の約3分の1がペットを飼っており(イヌ1,619例[18%]、ネコ1,077例[12%]、その他274例[3%])、5,815例は飼っていなかった。ペットを飼っている高齢者は飼っていない高齢者に比べ、年齢が4~5歳若く、あまり運動しない者の割合がわずかに低く、喫煙者は多い傾向がみられた。イヌの飼い主は、孤独感が強く、健康状態が劣る傾向があった。

 多変量で補正した解析では、ペットを飼っていることと、歩行速度、肺機能(1秒量)、椅子からの立ち上がり時間、握力、レッグレイズ(足上げ)、身体バランス、3つの全身性炎症のマーカー(C反応性蛋白、白血球数、フィブリノゲン)、記憶、うつ症状には関連がなかった。

 イヌの飼い主はペットを飼っていない高齢者に比べ、歩行速度がわずかに遅く、椅子から立ち上がる時間が長かったが、肺機能はわずかに高かった。ネコの飼い主はその他のペットの飼い主に比べ、レッグレイズ検査に失敗する傾向がみられた。

 著者は、「大小を問わず、動物と交遊することは、標準的な身体的、心理学的な老化のバイオマーカーとは基本的に関連しないことが示された」と結論している。

(医学ライター 菅野 守)