雨が降ると関節痛の受診は増えるのか/BMJ

提供元:
ケアネット

雨が降ると関節痛の受診は増えるのか/BMJのイメージ

 降雨と関節痛や背部痛による外来受診に関連はないことが、米国・ハーバード大学医学大学院のAnupam B. Jena氏らによる、155万人以上の米国人高齢者のデータを解析した研究で明らかとなった。多くの人々が、とくに関節炎の患者において、気象条件の変化で関節痛や背部痛の症状が増悪すると考えている。気象パターンと関節痛の関連を検討した研究において至った結論はさまざまであり、種々の気象条件下で関節痛を詳細に評価した研究は、どれも症例数が少ないという。BMJ誌2017年12月13日号掲載のクリスマス特集での報告。

医療保険申請データと降雨データを関連付け
 研究グループは、降雨と関節痛や背部痛による外来受診の関連を評価する観察研究を行った(研究助成は受けていない)。

 米国のメディケア医療保険申請データと、米国気象台(US weather stations)の降雨データを関連付けた。2008~12年に一般内科医の外来診療を受けた65歳以上の155万2,842例(総受診件数:1,167万3,392件)を解析の対象とした。

 疾患(関節リウマチ、変形性関節症、脊椎症、椎間板障害、その他の非外傷性関節障害)に関連した関節痛または背部痛による外来受診の割合を、雨が降った日と降らなかった日で比較した。患者の背景因子、慢性疾患、地理的な固定効果(同一地域内の降雨日と非降雨日で、外来受診関連の関節痛または背部痛の割合を比較)で調整した。

予想とは逆の結果だが、関連の可能性はまだ残る
 メディケア加入者による1,167万3,392件の外来受診のうち、209万5,761件(18.0%)が降雨日のものであった。

 患者の平均年齢は、降雨日が77.0歳、非降雨日は77.1歳、女性がそれぞれ62.1%、62.2%、白人が87.3%、85.8%であった。主な慢性疾患として、高血圧が降雨日で89.0%、非降雨日で88.8%にみられ、脂質異常症がそれぞれ85.2%、85.1%、関節リウマチが62.3%、62.9%、冠動脈疾患が58.3%、58.7%に認められた。

 補正前および補正後解析では、関節痛または背部痛患者の割合は、降雨日のほうが非降雨日よりも低く(補正前解析:6.23% vs.6.42%、p<0.001、補正後解析:6.35% vs.6.39%、p=0.05)、予想とは逆の結果が示された。しかし、その差は小さいため臨床的な意義はないと考えられた。

 外来受診した週に関節痛または背部痛で保険申請をした割合とその週の降雨日数にも、統計学的に有意な関連は認められなかった。たとえば、雨の日が7日間すべてだった週と雨の日が1日もなかった週で、関節痛や背部痛の割合は類似していた(p=0.18)。

 地域、年齢層、人種別のサブグループ解析でも、関節痛や背部痛と降雨に関連はみられず、関節リウマチ患者においても有意な関連は認められなかった。

 著者は、「降雨と関節痛や背部痛に関連がある可能性はまだ残っており、この一般的な通念の妥当性を立証するには、疾患の重症度や疼痛に関する、より大規模で詳細なデータが有用と考えられる」としている。

(医学ライター 菅野 守)

原著論文はこちら

掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。)