PAD患者の歩行能改善にGM-CSF製剤は寄与せず/JAMA

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ケアネット

PAD患者の歩行能改善にGM-CSF製剤は寄与せず/JAMAのイメージ

 米国・ノースウェスタン大学のMary M. McDermott氏らによる無作為化試験「PROPEL試験」の結果、末梢動脈疾患(PAD)患者において、トレッドミルを利用して定期的に行う運動療法は、定期的にレクチャーを行い注意喚起を促す介入と比べて、6分間歩行距離でみた歩行能を有意に改善することが示された。また、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)製剤は、単独投与または運動療法と組み合わせて投与した場合も、歩行能を有意に改善しないことが示された。これまでPAD患者の歩行能改善におけるGM-CSF製剤のベネフィットは不明であったが、研究グループは、「今回の結果で、PAD患者の歩行障害の治療に対する運動療法のベネフィットが確認され、GM-CSF製剤の使用は支持されなかった」とまとめている。JAMA誌オンライン版2017年11月15日号掲載の報告。

4群に割り付けて12週時の6分間歩行距離の変化を評価
 PROPEL試験は、GM-CSF製剤投与+運動療法が、運動療法単独/GM-CSF製剤投与単独と比べて、6分間歩行距離を延長するか、またGM-CSF製剤投与単独が、プラセボよりも6分間歩行距離を延長するか、さらには注意喚起の介入よりも同距離を延長するかを明らかにすることが目的であった。2012年1月6日~2016年12月22日に、シカゴ都市圏で参加者を登録。被験者を2×2要因デザインにて、(1)運動療法+GM-CSF製剤投与(運動+GM-CSF)、(2)運動療法+プラセボ(運動単独)、(3)注意喚起+GM-CSF製剤投与(GM-CSF単独)、(4)注意喚起+プラセボ(注意喚起単独)の4つの介入のうち、いずれか1つを受けるよう無作為に割り付けた。

 運動療法は週3回のトレッドミルエクササイズを6ヵ月間、注意喚起は臨床医による週1回の教育的なレクチャーを6ヵ月間提供した。GM-CSF製剤またはプラセボの投与は、二重盲検下で、週3回250μg/m2/日を介入開始当初の2週間皮下投与した。

 無作為化前と、無作為化後6週、12週、6ヵ月時点でフォローアップを行いアウトカムを評価。最終フォローアップは2017年8月15日であった。
 主要アウトカムは、12週フォローアップ時の6分間歩行距離の変化(臨床的意味のある最小変化値は20m)。p値はHochberg step-up法で補正を行い評価した。

運動療法単独群が最も改善、GM-CSF単独群は注意喚起単独群よりも改善せず
 PAD患者827例が評価を受け、210例が無作為化を受けた(平均年齢67.0[SD 8.6]、黒人141例[67%]、女性82例[39%])。運動+GM-CSF群53例、運動単独群53例、GM-CSF単独群53例、注意喚起単独群51例。12週フォローアップを完了したのは195例(93%)であった。

 12週フォローアップ時の6分間歩行距離の変化(平均値)は、運動+GM-CSF群22.2m、運動単独群28.5mで、運動+GM-CSF群の有意な改善は示されなかった(平均差:-6.3m[95%信頼区間[CI]:-30.2~17.6]、p=0.61)。一方、運動+GM-CSF群は、GM-CSF単独群(同変化の平均値:-6.4m)よりも改善は認められた(平均差:28.7m[95%CI:5.1~52.3]、p=0.052)。

 GM-CSF単独群は、注意喚起単独群(同変化の平均値:-5.0m)と比べると改善は認められなかった(平均差:-1.4m[95%CI:-25.2~22.4]、p=0.91)。運動単独群は、注意喚起単独群と比べてより大きく有意な改善が示された(平均差:33.6m[95%CI:9.4~57.7]、p=0.02)。

(ケアネット)

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