5~19歳のBMI値の世界的動向は?/Lancet

提供元:ケアネット

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公開日:2017/10/24

 

 1975~2016年の未成年者(5~19歳)のBMI値の世界的な動向について、成人の動向と比較分析した結果、多くの高所得国では高止まりの傾向がみられるが、アジアの一部で高値ではないが加速度的な上昇がみられ、成人の動向とは相関していないことなどが明らかになった。世界200ヵ国の非感染性疾患(NCD)について調査を行っている科学者ネットワーク「NCD Risk Factor Collaboration」(NCD-RisC)が、住民ベース試験2,416件のデータをプール解析し、Lancet誌オンライン版2017年10月10日号で発表した。

約1億3,000万例のデータをプール解析
 未成年者の低体重、過体重、肥満は生涯にわたって健康を損なう結果を招くとされる。研究グループは、未成年者の平均BMI値と低体重から肥満をカバーするBMIカテゴリーの統合セットで、世界的な動向を推定し、また成人の同値動向との比較を行った。

 参加者が5歳以上で身長と体重の測定が行われていた2,416件の住民ベース試験をプール(被験者1億2,890万例、うち5~19歳は3,150万例)。階層ベイズモデルを用いて、200ヵ国における5~19歳の1975~2016年の平均BMI値と、BMIカテゴリー分類―WHOの示す発育参照中央値より、「-2 SD未満(将来的に中等度~重度の低体重)「-2 SD~-1 SD未満(軽度の低体重)」「-1 SD~1 SD(健常体重)」「1 SD超~2 SD(肥満ではないが過体重)」「2 SD超(肥満)」―での有病率の傾向を推定した。

東および南アジアでは男子女子ともにBMI値が上昇の傾向
 1975~2016年の、女子の年齢標準化平均BMI値の各地における動向をみると、東ヨーロッパでは実質的に変化がみられなかった(-0.01kg/m2/10年、95%信用区間[CrI]:-0.42~0.39、観察された正確な減少の事後確率[posterior probability:PP]=0.5098)。一方で、中南米の中央地方では1.00kg/m2/10年(0.69~1.35、PP>0.9999)の上昇が、ポリネシアおよびミクロネシアでは0.95 kg/m2/10年(0.64~1.25、PP>0.9999)の上昇がみられた。

 男子の動向は、東ヨーロッパで有意ではないが0.09kg/m2/10年(-0.33~0.49、PP=0.6926)の上昇がみられたものから、ポリネシアおよびミクロネシアの0.77kg/m2/10年(0.50~1.06、PP>0.9999)の上昇にわたっていた。

 平均BMI値の傾向は、直近の北西ヨーロッパおよび高所得の英語圏、アジア太平洋地域では男子女子ともに安定的に推移しており、南西ヨーロッパの男子、中南米の中央およびアンデス地方では女子について安定的な推移が認められた。対照的に、東および南アジアでは男子女子ともにBMI値の上昇がみられ、東南アジアでは男子についてBMI値の上昇がみられた。

 世界の肥満の年齢標準化有病率は、女子は1975年の0.7%(0.4~1.2)から2016年5.6%(4.8~6.5)に上昇し、男子は同0.9%(0.5~1.3)から7.8%(6.7~9.1)に上昇した。中等度~重度の低体重の有病率は、女子は同9.2%(6.0~12.9)から8.4%(6.8~10.1)に減少し、男子は同14.8%(10.4~19.5)から12.4%(10.3~14.5)に減少した。

 2016年の中等度~重度の低体重の有病率はインドで最も高く、女子22.7%(16.7~29.6)、男子30.7%(23.5~38.0)であった。また、女子の肥満の有病率が30%超であったのは、ナウル、クック諸島、パラオで、男子ではクック諸島、ナウル、パラオ、ニウエ、米国領サモアであった。

 2016年現在、世界で中等度~重度の低体重の女子は7,500万例(4,400万~1億1,700万)、男子は1億1,700万例(7,000万~1億7,800万)であり、肥満の女子は5,000万例(2,400万~8,900万)、男子は7,400万例(3,900万~1億2,500万)と推定された。

(ケアネット)