高齢者、抗血栓薬で血尿リスク増大/JAMA

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ケアネット

高齢者、抗血栓薬で血尿リスク増大/JAMAのイメージ

 高齢者の抗血栓薬服用では、血尿関連合併症による泌尿器科処置のリスクが約1.4倍に、入院や救急外来受診のリスクは2倍以上に増大することが示された。なかでも、抗凝固薬と抗血小板薬併用での血尿関連合併症リスクは、約10倍に上るという。カナダ・Sunnybrook Health Sciences CentreのChristopher J.D. Wallis氏らによる、同国オンタリオ州の高齢者250万例超を対象に行った住民ベースの後ろ向きコホート試験の結果で、JAMA誌2017年10月3日号で発表された。抗血栓薬は、最も頻度が高い処方薬の1つである。

カナダ・オンタリオ州の66歳以上が対象の後ろ向きコホート試験
 研究グループは2002~14年にかけて、カナダ・オンタリオ州居住の66歳以上を対象にコホート試験を行い、抗血栓薬服用者の血尿関連合併症の発生について検証した。

 血尿関連合併症の発生は、救急外来受診、入院、または肉眼的血尿の検査・管理を目的とした泌尿器科処置の施行と定義した。

血尿関連泌尿器科処置リスクは1.4倍、入院リスクは2.0倍に
 被検者251万8,064例のうち、抗血栓薬の処方を1回以上受けたのは80万8,897例(平均年齢72.1歳、女性53%)だった。

 中央値7.3年の追跡期間中、血尿関連合併症発生率は、抗血栓薬非服用者80.17件/1,000人年に対し、同服用者は123.95件/1,000人年だった(両群差:43.8、95%信頼区間[CI]:43.0~44.6、p<0.001、発生率比[IRR]:1.44、95%信頼区間[CI]:1.42~1.46)。

 それぞれの血尿関連合併症の発生率についてみると、血尿関連の泌尿器科処置は、服用者105.78件/1,000人年 vs.非服用者80.17件/1,000人年(両群差:33.5、95%CI:32.8~34.3、p<0.001)で、IRRは1.37(95%CI:1.36~1.39)だった。入院は、11.12 vs.5.42回/1,000人年(両群差:5.7、95%CI:5.5~5.9、p<0.001)でIRRは2.03(95%CI:2.00~2.06)、救急外来受診は7.05 vs.2.51回/1,000人年(両群差:4.5、95%CI:4.3~4.7、p<0.001)でIRRは2.80(95%CI:2.74~2.86)だった。

 抗血栓薬非服用者との比較で、抗凝固薬・抗血小板薬の併用服用者は、血尿関連合併症のIRRが10.48(95%CI:8.16~13.45)で、抗凝固薬のみ服用者は1.55(同:1.52~1.59)、抗血小板薬のみ服用者は1.31(同:1.29~1.33)だった。

 また、抗血栓薬服用者は非服用者と比べて6ヵ月以内に膀胱がんと診断される可能性が高かった(0.70% vs.0.38%、オッズ比:1.85、95%CI:1.79~1.92)。

(医療ジャーナリスト 當麻 あづさ)

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コメンテーター : 桑島 巖( くわじま いわお ) 氏

J-CLEAR理事長

東京都健康長寿医療センター顧問

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