ARDSへの肺リクルートメント手技+PEEP最適化、その意義は?/JAMA

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ケアネット

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 中等症~重症の急性呼吸窮迫症候群(ARDS)患者において、肺リクルートメント手技+呼気終末陽圧(PEEP)の最適化は、従来の低PEEP管理と比較し、28日死亡率が有意に増加することが明らかにされた。ブラジル・HCor Research InstituteのAlexandre Biasi Cavalcanti氏らによる多施設共同無作為化臨床試験(Alveolar Recruitment for ARDS Trial:ART)の結果で、著者は「これらの患者では肺リクルートメント手技+PEEP最適化のルーチン使用は推奨されない」と述べている。ARDS患者において、肺リクルートメント手技+PEEP最適化が臨床アウトカムに与える影響は、これまで不明であった。JAMA誌オンライン版2017年9月27日号掲載の報告。

中等症~重症ARDS患者約1,000例で、28日死亡率を評価
 研究グループは2011年11月17日~2017年4月25日に、9ヵ国の集中治療室(ICU)120ヵ所における、発症後72時間以内かつ人工呼吸器管理中の中等症~重症ARDS患者1,010例を登録し、肺リクルートメント手技(一時的に気道内圧を高圧にして虚脱した肺胞を再開通させる)+最良の呼吸器系コンプライアンスに従ったPEEP最適化による実験的戦略(実験)群(501例)と、ARDSNetで推奨される低PEEP戦略を受ける対照群(509例)に、1対1の割合で無作為に割り付けた。他の呼吸器設定は統一され、全患者は人工呼吸器離脱まで従量式補助/調節換気(A/C)モードを受けた。

 主要アウトカムは28日間の全死因死亡率、副次アウトカムはICU在室期間、在院日数、28日間で人工呼吸器が未使用だった期間、7日以内のドレナージを要した気胸、7日以内の圧外傷、ICU死亡率、院内死亡率、6ヵ月死亡率とした。統計には、Cox比例ハザードモデルを用いてintention-to-treat解析が実施された。

実験群で28日死亡率、6ヵ月死亡率、気胸・圧外傷リスクが増加
 登録された1,010例の患者背景は、女性37.5%、平均(±SD)年齢50.9(±17.4)歳であった。

 28日時点において、実験群で501例中277例(55.3%)、対照群で509例中251例(49.3%)が死亡した(ハザード比[HR]:1.20、95%信頼区間[CI]:1.01~1.42、p=0.041)。対照群と比較して実験群では、6ヵ月死亡率の増加(65.3% vs.59.9%、HR:1.18、95%CI:1.01~1.38、p=0.04)、人工呼吸器未使用期間平均日数の減少(5.3 vs.6.4、群間差:-1.1、95%CI:-2.1~-0.1、p=0.03)、ドレナージを要した気胸リスクの増加(3.2% vs.1.2%、群間差:2.0%、95%CI:0.0%~4.0%、p=0.03)、および圧外傷リスクの増加(5.6% vs.1.6%、群間差:4.0%、95%CI:1.5%~6.5%、p=0.001)が認められた。ICU在室期間、在院日数、ICU死亡率および院内死亡率は、両群で有意差は認められなかった。

(医学ライター 吉尾 幸恵)

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