PCI施行時の抗凝固療法、bivalirudin vs.ヘパリン/NEJM

提供元:
ケアネット

PCI施行時の抗凝固療法、bivalirudin vs.ヘパリン/NEJMのイメージ

 急性心筋梗塞に対する経皮的冠動脈インターベンション(PCI)施行時の抗凝固療法について、bivalirudinとヘパリンの単独投与を比較検討した結果、追跡180日間の死亡・心筋梗塞再発・大出血に関して有意な差は認められなかった。スウェーデン・ルンド大学のDavid Erlinge氏らが、多施設共同無作為化レジストリベースの非盲検臨床試験の結果、報告した。現行プラクティスに従い、橈骨動脈アプローチ法を用いたPCIを受け、強力なP2Y12阻害薬を投与するが糖蛋白IIb/IIIa阻害薬の投与予定のない急性心筋梗塞患者において、どの抗凝固療法戦略が有効かは明白になっていない。bivalirudinとヘパリンの比較に関する先行研究では相反する結果が示されており、またそれら試験では、ヘパリンは無作為化前に、bivalirudinはPCI後にと、異なるアプローチが用いられていた。P2Y12阻害薬の投与についても異なっていた。NEJM誌オンライン版2017年8月27日号掲載の報告。

180日間の全死因死亡・心筋梗塞・大出血の複合発生率を比較
 研究グループは、ST上昇型心筋梗塞(STEMI)または非STEMI(NSTEMI)で、PCI施行、強力なP2Y12阻害薬(チカグレロル、プラスグレル、cangrelor)による治療を受けるが糖蛋白IIb/IIIa阻害薬の投与予定はない患者を登録し検討した。

 被験者を、PCI施行中に、bivalirudinまたはヘパリンを投与する群に無作為に割り付けた。

 主要エンドポイントは、追跡180日間に発生した全死因死亡・心筋梗塞・大出血の複合であった。

 試験登録は、スウェーデン国内のPCIセンター29施設中25施設で行われ、2014年6月~2016年9月に、計6,006例(STEMI:3,005例、NSTEMI:3,001例)が登録され、bivalirudin群3,004例、ヘパリン群3,002例に無作為に割り付けられた。
 PCIは、大半(90.3%)で橈骨動脈アプローチ法が用いられた。P2Y12阻害薬(94.9%がチカグレロル)は、被験者の61.6%においてPCI施行の少なくとも1時間前に投与された。ヘパリン(≦5,000U)が手術室入室前に投与されたのは36.6%であった。

 PCI中の平均最長ACTは、bivalirudin群386秒、ヘパリン群305秒であり、bivalirudin群の65.3%で長時間投与(平均57分)が行われた。レスキュー糖蛋白IIb/IIIa阻害薬の発生は、bivalirudin群2.4%、ヘパリン群2.8%であった。

bivalirudin群12.3%、ヘパリン群12.8%で有意差なし
 180日時点の主要エンドポイント発生率は、bivalirudin群12.3%(369/3,004例)、ヘパリン群12.8%(383/3,002例)で、有意な差はなかった(ハザード比[HR]:0.96、95%信頼区間[CI]:0.83~1.10、p=0.54)。この結果は、STEMI患者、NSTEMI患者別にみても、また主要なサブグループ別にみても変わらなかった。

 個別エンドポイントのうち、心筋梗塞の発生はbivalirudin群2.0%、ヘパリン群2.4%であり(HR:0.84、95%CI:0.60~1.19、p=0.33)、重大出血は両群とも8.6%であった(1.00、0.84~1.19、p=0.98)。また、確認されたステント血栓症は0.4%、0.7%(0.54、0.27~1.10、p=0.09)、死亡は2.9%、2.8%(1.05、0.78~1.41、p=0.76)であった。

(ケアネット)

掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。)

初めての方へ

新規会員登録はこちら

新規会員登録はこちら