緩和ケアでQOLは向上するか/BMJ

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ケアネット

緩和ケアでQOLは向上するか/BMJのイメージ

 専門家による緩和ケアサービスのQOLへの効果は小さいことが、ドイツ・フライブルク大学のJan Gaertner氏らによるシステマティックレビューとメタ解析の結果、報告された。ただし、がん患者が早期にそのようなケアを受けることについては、効果があると断言できる可能性が示されたという。解析の結果を踏まえて著者は、「専門家緩和ケアは、早期から提供された場合、または患者の満たされていないニーズを掘り起こして提供された場合には、最大限の効果をもたらすだろう」と述べている。BMJ誌2017年7月4日号掲載の報告。

システマティックレビューとメタ解析で検証
 検討は、2016年7月までのMedline、Embase、Cochrane Central Register of Controlled Trials、PsycINFOおよび試験登録を検索して行われた。試験の適格および選択条件は、病院、ホスピスまたは地域の入院・外来の成人患者を対象とし、介入の最低条件は、多職種チームのアプローチを含む専門家緩和ケアが行われていた無作為化試験とした。

 2人のレビュワーがそれぞれデータのスクリーニングと抽出を行い、バイアスリスク(Cochraneバイアス・リスクツールによる)について評価。主要アウトカムは、メタ解析におけるHedges'gの標準化平均差(SMD)とランダム効果モデルでみたQOLであった。さらに、解析したQOLのプールSMDを、欧州がん研究・治療機構(EORTC)のQLQ-C30(尺度は0~100で高いほどQOL良好を示す、臨床的に重要な差の最小値は8.1)のglobal health/QOLスケール(項目29と30)で再算出した。

専門家緩和ケアのQOLへの効果は早期から受けたがん患者では高い

 発表論文3,967本のうち、12本(無作為化試験10件、被験者2,454例、がん患者は72%[1,766例])が解析に包含された。

 スクリーニングによって掘り起こされた患者のニーズに応じて、多職種専門家緩和ケアが提供された試験はなかった。

 解析の結果、全体的に専門家緩和ケアを支持する効果は小さかった(SMD:0.16[95%信頼区間[CI]:0.01~0.31]、QLQ-C30のglobal health/QOL:4.1[95%CI:0.3~8.2]、1,218例、6試験)。感度解析では、SMDは0.57を示した(95%CI:-0.02~1.15、global health/QOL:14.6[95%CI:-0.5~29.4]、1,385例、7試験)。

 ただし、がん患者のみでみると、その効果はわずかだが大きかった(SMD:0.20[95%CI:0.01~0.38]、global health/QOL:5.1[95%CI:0.3~9.7]、828例、5試験)。とくに早期に専門家緩和ケアを受けた患者で、その効果は大きいことが示された(SMD:0.33[95%CI:0.05~0.61]、global health/QOL:8.5[95%CI:1.3~15.6]、388例、2試験)。

 疼痛やその他の副次アウトカムについては、方法論的な問題(盲検化がなされていないなど)でエビデンスが弱められ、断定的な結果が得られなかった。

(ケアネット)

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