アレクチニブ、未治療ALK陽性非小細胞肺がんに奏効/NEJM

提供元:ケアネット

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公開日:2017/06/23

 

 未治療の未分化リンパ腫キナーゼ(ALK)融合遺伝子陽性非小細胞肺がん(NSCLC)患者の1次治療において、アレクチニブ(商品名:アレセンサ)はクリゾチニブ(同:ザーコリ)よりも有効性に優れ忍容性も良好であることが認められた。スイス・ローザンヌ大学病院のSolange Peters氏らが、国際共同無作為化非盲検第III相試験「ALEX」の結果を報告した。選択的ALK阻害薬アレクチニブは、ALK陽性NSCLCに対し、全身性の効果に加え中枢神経系(CNS)の転移にも有効であることが示唆されていた。NEJM誌オンライン版2017年6月6日号掲載の報告。

国際共同第III相試験でアレクチニブとクリゾチニブを比較
 研究グループは、18歳以上の未治療進行性ALK陽性NSCLC患者303例を、アレクチニブ群(600mg 1日2回、経口投与)、またはクリゾチニブ群(250mg 1日2回、経口投与)に、ECOG PS(0/1 vs.2)、人種(アジア vs.非アジア)、CNS転移(あり vs.なし)で層別化して1対1の割合で無作為に割り付け、病勢進行、許容できない毒性の発現、同意撤回または死亡まで投与を継続した。

 主要評価項目は、治験参加医師判定による無増悪生存期間(PFS)、副次評価項目は独立効果判定委員会判定によるPFS、CNS病変の病勢進行までの期間、奏効率、全生存期間(OS)とした。

 追跡期間中央値は、クリゾチニブ群(151例)17.6ヵ月、アレクチニブ群(152例)18.6ヵ月であった。

アレクチニブ群でPFSが有意に延長、脳転移も抑制
 病勢進行または死亡のイベントは、アレクチニブ群152例中62例(41%)、クリゾチニブ群151例中102例(68%)に認められた。12ヵ月間の無イベント生存率はアレクチニブ群68.4%(95%信頼区間[CI]:61.0~75.9)、クリゾチニブ群48.7%(95%CI:40.4~56.9)で、病勢進行または死亡のハザード比は0.47(95%CI:0.34~0.65、p<0.001)であり、PFS中央値はアレクチニブ群未到達(95%CI:17.7~未到達)、クリゾチニブ群11.1ヵ月(95%CI:9.1~13.1)であり、アレクチニブ群で治験参加医師判定によるPFSの有意な延長が認められた。独立効果判定委員会判定によるPFSも、主要評価項目と同様の結果であった。

 CNS病変の病勢進行のイベントは、アレクチニブ群18例(12%)、クリゾチニブ群68例(45%)で確認された(特異的ハザード比:0.16、95%CI:0.10~0.28、p<0.001)。アレクチニブ群126例、クリゾチニブ群114例で奏効が得られ、奏効率はそれぞれ82.9%(95%CI:76.0~88.5)および75.5%(95%CI:67.8~82.1)であった(p=0.09)。Grade 3~5の有害事象の発現率はアレクチニブ群が低値であった(アレクチニブ群41%、クリゾチニブ群50%)。

 OSに関しては、現在のところイベント発現率がそれぞれ23%および26%であり両群ともOS中央値に未到達で、今後、イベント発現率が約50%になった時点で解析が行われる予定である。著者は今後の課題として、「アレクチニブは、全身およびCNS病変の病勢コントロールを改善することによって全生存期間も延長する可能性があるが、生存イベントに関する十分なデータの解析で確認する必要がある」との見解を示している。

(医学ライター 吉尾 幸恵)

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コメンテーター : 小林 英夫( こばやし ひでお ) 氏

防衛医科大学校 内科学講座 准教授

J-CLEAR推薦コメンテーター